リクルートTECH LAB PAAKのデモデイ「OPEN PAAK DAY#5」開催!「Silicon Valleyのエコシステムのリアル」 #PAAK_jp

今回、Pedia Newsでは、第5期生の成果発表会の前に開催されたトークセッション「Silicon Valley(シリコンバレー)のエコシステムのリアル」の一部をご紹介する。

株式会社リクルートホールディングス<東証: 6098、リクルート>が渋谷で展開するオープンイノベーションスペース「TECH LAB PAAK(テック・ラボ・パーク)」は、9月27日、第5期生の成果発表会「OPEN PAAK DAY#5」を開催。

### Silicon Valley(シリコンバレー)のエコシステムのリアル

今回、Pedia Newsでは、第5期生の成果発表会の前に開催されたトークセッション「Silicon Valley(シリコンバレー)のエコシステムのリアル」の一部をご紹介する。このトークセッションには、パネラーに、500 Startups Japanマネージングパートナーの澤山陽平氏、トーマツベンチャーサポート株式会社シリコンバレー事務所代表の木村将之氏、モデレーターにニフティ株式会社東京カルチャーカルチャーの河原梓氏が登壇し、Q&A形式で行われた。なお、写真は、右から順に、TECH LAB PAAKコミュニティマネージャーの岩本亜弓氏、ニフティ株式会社東京カルチャーカルチャーの河原梓氏、500 Startups Japanマネージングパートナーの澤山陽平氏、トーマツベンチャーサポート株式会社シリコンバレー事務所代表の木村将之氏が登壇。

### 日本の方が資金調達しやすい

まず、日本とシリコンバレーにおける「シードラウンドの資金調達の容易さ」に関する相違点について、500 Startups Japanマネージングパートナーの澤山陽平氏(以下、澤山氏)は「日本の方が資金調達しやすい」「バリュエーションも日本の方が異常に高い」と断言した。澤山は、シリコンバレーのエコシステムは「多産多死型のエコシステム」であることを強調した上で、シードラウンドからシリーズAラウンドへのハードルが上がっていることを明かした。

### 25%が生き残り、2%が大成功を遂げる

澤山氏によれば、500 Startupsの投資状況は、ファンド1号と2号の投資先577社のうちシリーズAを突破したスタートアップ企業が全体の25%、シリーズBが11%、シリーズCが5%、シリーズDが2%であることを説明した。

すなわち、シードラウンドでの投資を得意とする500 Starupsでさえも、投資実行した企業のうち75%がシリーズAに到達できず、投資リターンとして成功に価するものはシリーズC、シリーズD以上に進んだ企業のみでわずか7%という結果だ。

### バッチ同期の絆がセーフティーネット

その一方で、500 Startupsの投資先では、同じバッチに参加したスタートアップ同士が強固な絆を築くことで、同期チーム間で人材が流動することも多いと語った。具体的には「同期の他のチームが失敗すれば他のチームが吸収する」「同期のチームが他のチームの人材を雇用する」などのセーフティーネット(安全網)ができているという。

これに関して、トーマツベンチャーサポート株式会社シリコンバレー事務所代表の木村将之氏(以下、木村氏)は、スタートアップ企業同士だけではなく、投資家同士がスタートアップ企業の合併を進めていることも明かした。

### エンジェル投資家が『AngelList Syndicates』で資金調達をサポート

次に、日本とシリコンバレーにおける「エンジェル投資家」の違いについて、澤山氏は、シリコンバレーでは『AngelList Syndicates』の貢献によって、エンジェル投資家による投資活動が活性化していると語った。

実際『AngelList Syndicates』を使って、エンジェル投資家が自ら発起人となって同じラウンドで投資する他のエンジェル投資家を募集する。これにより、スタートアップは、エンジェル投資家のサポートを受け、当初想定した資金調達よりも大きな資金調達を実現できる。

なお、『AngelList』及び『AngelList Syndicates』の詳細は、500 Startupsが公開する資料「500 Kobe Pre-Accelerator Demo Day >> Rishi Narang of AngelList」を参考にしてもらいたい。

### 日本なりのスタートアップエコシステムに必要なものは?

最後に、日本なりのスタートアップエコシステムを構築するために必要なことについて、木村氏と澤山氏は、それぞれ以下のように述べた。

### サポーターの密集度、資金の循環

日本のスタートアップコミュニティの良いところは「密集度が高い」ところだと思います。物理的にも人同士もコミュニティ同士も非常に近く、ぎゅっとしています。

大企業も積極的にオープンイノベーションを推進していますし、ベンチャーキャピタルも積極的ですし、メディアもスタートアップのカバレッジ力が高く、サポートする側の体制は整っていると思います。

スタートアップ1社あたりのサポーターの数で言えば、シリコンバレーよりも日本の方がダントツに多いので、スタートアップは良い意味で加速をつけていくことが重要だと思います。

ただ日本の場合、スタートアップエコシステムをサポートする人は多いけれども、お金が流れていないという構造的な問題もあると考えています。(木村氏)

### “Pay it Forward”精神、大企業による支援

500 Startupsは、スタートアップエコシステムをつくるために、様々な国でいろんなことに挑戦しています。僕らはベンチャーキャピタルですが、「投資」と「エコシステム構築」の2つの事業を持ちます。

「エコシステム構築」事業は「教育プログラム」「コミュニティ」「イベント」の3つに大きく分かれており、特に今力を入れているのが「教育プログラム」です。スタートアップエコシステムを構築するためには、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、行政、大企業など、いろいろなプレイヤが必要です。そのため「投資家教育プログラム」「オープンイノベーション教育プログラム」「起業家教育プログラム」の3つを提供しています。

これは僕たちだけでは決してできないことでもあります。500 Startupsの教育プログラムには、各分野の専門家がメンターとしてボランティアで参加してくれるおかげです。まさに ”Pay It Forward (Give and Give)” の精神です。メンターのメリットは、新しいスタートアップに関われることがありますが、”Pay It Forward”精神で「自分が創業間もない駆け出しの時に応援してサポートしてくれた人がいたおかげで今があるから、僕たちも次の世代を応援する」という精神が脈絡と受け継がれていて、それが当然の空気になっています。これは日本とシリコンバレーの大きな違いだと思います。

日本もこの5年でスタートアップ業界が盛り上がり、スタートアップに対する支援も増えてきています。その大部分が大企業やCVCのおかげだと思います。ただスタートアップは95%が失敗します。残りの5%が成功で、2%が大成功を成し遂げます。それがわかるには、5年という歳月がかかります。だからこそ、投資リスクを分かった上で、期待値をコントロールしながら、スタートアップ企業に関わることが重要だと思います。日本人は熱しやすくて冷めやすいところがありますが、今せっかく日本のスタートアップ業界が盛り上がってきているので、このまま軌道に乗せていきたいと思っています。(澤山氏)