【ユーザーローカル】人工知能チャットボットハッカソンを開催

チャットボット開発のための人工知能プラットフォーム「人工知能ボットAPI」を提供する、株式会社ユーザーローカルは、二日間にわたり、ビッグデータと人工知能による、新時代のチャットボットサービスを生み出すためのハッカソン「人工知能チャットボットハッカソン」を開催した。今回、Pedia Newsでは、「人工知能チャットボットハッカソン」の二日目に行われたプレゼン発表会、表彰式の模様を中心にお伝えしよう。

チャットボット開発のための人工知能プラットフォーム「人工知能ボットAPI」を提供する、株式会社ユーザーローカルは、7月9日と7月10日の二日間にわたり、ビッグデータと人工知能による、新時代のチャットボットサービスを生み出すためのハッカソン「人工知能チャットボットハッカソン」を開催した。

ユーザーローカルの「人工知能ボットAPI」は、5月10日に発表された、無料の人工知能会話プラットフォーム。LINEやFacebookのユーザーと自動で対話する人工知能エージェントで、LINE(LINE BOT)、Facebook(Facebook Messengerボット)、Twitter(Twitterボット)、Slackの4種類のメッセージサービスに対応。「人工知能ボットAPI」を使うと、メッセージサービス上でチャットボットによる自動返信機能を簡単に実現できる。

「人工知能ボットAPI」は、ユーザーから受け取ったメッセージをAPIが受け取ると、形態素解析(=分かち書き。文章を単語に分割すること)し、メッセージ内容にあわせた返信内容を人工知能で自動生成する仕組み。Twitterのツイート過去ログ、Instagramのハッシュタグ、ニュース記事やブログなど数十億件にのぼるテキストデータを機械学習しており、自然言語による高度な会話を実現する。

特徴的な機能としては、①全自動会話エンジン(ユーザーが入力した日本語のメッセージに対して、自然な受け答えや雑談を返信するAPI)、②キャラクター会話AP(○○だワン」、「○○ですニャ」といった犬・ネコっぽい語尾、ロボット風、執事風の言い回しなど、キャラクターにあわせてメッセージ内容を変換するAPI)、③氏名自動識別API(会話中の相手の名前をもとに性別を自動推定したり、姓・名を切り分けることができるAPI)を持つ。

これにより、SNS向けのチャットボット開発としての利用だけではなく、オンラインゲーム内のキャラクター(ノンプレイヤーキャラクター)やロボット開発など幅広く活用できる。

今回、Pedia Newsでは、「人工知能チャットボットハッカソン」の二日目に行われたプレゼン発表会、表彰式の模様を中心にお伝えしよう。

「人工知能チャットボットハッカソン」

今回の「人工知能チャットボットハッカソン」では、チャットボットのおもしろさを存分に感じるために、実装方法を問わずに、LINE、Facebook、Twitter、Slackといったメッセンジャーアプリで動くチャットボットを開発することをルールとし、審査基準には実用性・おもしろさなどのテーマ設定とプロダクトが重視された。

全10チーム・約50名が参加!

二日間に渡って開催された「人工知能チャットボットハッカソン」。男女合わせて約50名が参加し、最終的には10チームに分かれて、それぞれ思い思いのチャットボットを開発。

なお、イベント参加を希望した補欠者数は180名以上となっており、ユーザーローカルの「人工知能ボットAPI」と本ハッカソンに対する注目の高さを伺える。

以下では、二日目のプレゼン発表会で発表されたチャットボットを登壇順にご紹介する。

『逆転ボット』

『逆転裁判』をオマージュしたシナリオゲームのチャットボット。現状のチャットボットはツール系が多く、エンターテイメント性が低いという課題を持っており、「暇つぶしができてもっとユーザーが話しかけたくなるようなたのしいチャットボット」を開発したいと考え、「チャットボットxゲーム」をテーマにフルスクラッチで開発。

チャットUIをいかし、LINEでグループチャットをしているかのような「ワチャワチャ感」を演出できるように工夫。

『コピーロボットで恋人探し』

ユーザー(ロボ主)は自分の分身となるコピーロボットを作成し、コピーロボット同士が会話させる。

IBMワトソン・トーン・アナライザーを使って、会話の盛り上がり具合をもとにフィーリングを判定し、最も相性の合う相手を自動的にマッチングさせて、ロボ主に通知してくれる。

サービスの展開として、ロボ主が一定金額(1,000円)を課金すると、フィーリングがマッチした相手とリアルで繋がれるなどを想定。

『BOT ALONE』

会話型脱出ゲームのチャットボット。「チャットボットxゲームx没入感」をテーマに、チャットボットとゲームを組み合わせることで生まれる没入感を表現。

ユーザーの自然な会話を解析したゲーム進行を実現するためにIBM Watson Dialogを利用。さらに、ゲーム内のキャラクターから画像が送信されるなど、キャラクターとユーザーが対話しながらストーリーを進めていくようなゲームデザインとなっている。

『BattleMCBot』

「楽に覚える、あいつとバトれる」をコンセプトに、ラップが苦手な人でも誰もが「韻を踏める」「ラップを楽しめる」チャットボット。作詞モードとバトルモードの二つの機能がある。

作詞モードでは、ユーザーが投稿した単語からボットが自動的に韻を踏んだ文章を作って作成してくれる。

バトルモードでは、より多くの韻を踏むことを目指して、ユーザーとチャットボットが互いにラップを投げ交ってラップバトルができる。

『アエル』

「死んだ人に会える、人工知能チャットボット」をコンセプトに、人を人たらしめている口癖や相づちに着目し、Twitterアカウントの会話データからテキストを抽出することで、ぬくもりのある会話を実現できるチャットボット。

工夫した点は、抽出元をTwitterのメンションの会話データだけを対象とし、形態素分析を使って口癖や相づちだけを抽出。

『ハットソン』

「人のコミュニケーションの間に入れるようなチャットボットを作りたい」という想いから、ハッカソンの関係者同士をシームレスにつなげる伝書鳩『ハットソン』を開発。『ハットソン』は多人数向けのイベント参加者管理、日程調整をサポートするチャットボット。

まず、『ハットソン』を使って幹事と参加者に分類して会員登録する。そうすると、『ハットソン』がそれぞれの参加者に日程を確認する。その後、参加者の日程調整結果を幹事に報告する。

これにより、幹事は自身がコミュニケーションをとらずとも、チャットボットを介して全参加者と日程調整できる。

『メンヘラ彼女のりなちゃん』

ユーザーのFacebookと連携し、基本情報をはじめとした個人情報を取得することで、自分のことを全て理解してくれているようなチャットボット。

「自分のことを理解してくれていると思っていたはずが、自分の個人情報を全て知っている。こわいけど楽しい」そう考えて開発したとのことで、SNSにおける個人情報の取り扱いに対して注意喚起もできるとしている。

コンビニ商品の栄養管理チャットボット

「チャットボットx健康管理」をコンセプトに、コンビニの商品から栄養管理するチャットボット。現状のチャットボットが自然言語処理を得意としていないということに着眼し、「人間の生活をより良くするもの」をチャットボットに託したいという想いから開発。

性別、身長や体重などの情報を登録。ユーザーは、あらかじめ前日の食事内容などを登録しておくと、その栄養バランスに合わせて今日の献立を提案してくれる。また、コンビニのデータベースと連携していることから、新商品の情報なども提供する。

『ちょうど良いボット』

10チームの中で唯一1人で開発。ちょうど良いタイミングで通知できるチャットボット。

メッセンジャーが発達していく中で、仕事中に複数のメッセンジャーから通知が来て、集中力が途切れてしまうことに課題を感じる。そこで、仕事中に自分の代わりとなって相手と会話し、ブラウザでTwitterなどを開いて休憩すると、ちょうど良いタイミングで通知してくれるチャットボットを開発。

ちょうど良いタイミングで通知された後は、ブラウザの管理画面から通常通り返信できる。

『カリスマダイエットプロデューサー ササミ・麗華』

家にある食材や気になった食材を入力するだけで、簡単にヘルシーなレシピを提案してくれるチャットボット。

また、レシピを提案してくれるだけでなくて、モチベーションを保持できるように、チャットボットの特性をいかして対話していくことで、ダイエットをサポートする。

いよいよ授賞式!

エンターテイメント性の高いチャットボットから利便性を考えたツール系のチャットボットやパーソナルアシスタントのチャットボットなど、全10チームから多種多様な「おもしろい」チャットボットが発表された。その中、栄えある最優秀賞を受賞したものはどのチャットボットか。

今回の審査は、会場審査と審査員による審査で行われた。

審査員にはツイキャス赤松氏、IBM宋氏、BotEgg藤田氏、ユーザーローカル伊藤氏、渡邊氏、本郷氏が参加した。

ツイキャス賞『ちょうど良いボット』

審査結果について、まず企業賞「ツイキャス賞」には『ちょうど良いボット』が選ばれた。

ツイキャス赤松氏は、『ちょうど良いボット』を選んだ理由について、①アイデアが非常にシンプル、②管理画面含めて作り込まれた実装、そして、③チャットボットらしさを存分にいかしている、の三点を述べた。

IBM賞『コピーロボットで恋人探し』

次に企業賞「IBM賞」には『コピーロボットで恋人探し』が選ばれた。

IBM宋氏は、『コピーロボットで恋人探し』を選んだ理由について、IBMワトソン・トーン・アナライザーを利用したマッチングを実装したことを述べた。

優秀賞『ハットソン』

次に「優秀賞」には『ハットソン』が選ばれた。「優秀賞」には賞金5万円が贈呈された。

BotEgg藤田氏は、『ハットソン』が「優秀賞」に選ばれた理由について、①多人数向けのチャットボットというコンセプト、②作り込まれた実装、の二点を述べた。

最優秀賞『BattleMCBot』

そして、10チームのチャットボットの中から栄えある「最優秀賞」の美を勝ち取ったチャットボットは『BattleMCBot』となった。「最優秀賞」には賞金10万円が贈呈された。

ユーザーローカル渡邊氏は、『BattleMCBot』が「最優秀賞」に選ばれた理由について、①会場からの得票数からでも1位、また、②プレゼンとプロダクトが素晴らく、さらに、③昨今のトレンドに乗りながらもチームとプロダクトのテーマがマッチしていたこと、の三点を述べた。

「チャットボットは今まさに黎明期」

最後に、ユーザーローカル伊藤氏は、今回の「人工知能チャットボットハッカソン」について、

今回ハッカソンで皆さんの発表を拝見し、チャットボットは今まさに黎明期(れいめいき)であると思いました。初めてimodeやスマホアプリ、インターネットやブラウザができた時のように、チャットボットが誰でも作れるようになったことは転換点の一つだと考えています。

チャットボットの登場によって、コミュニケーションの形は大きく変わっていくと思います。チャットボットを通じて、人間と機械が完全にシームレスにつながることで、人間がより自由に行動できるようになる。これは、大きな変革だと思います。チャットボットはこれからが本番です。

今後、チャットボットに関するベンチャー企業などは益々増えていくと思います。その中で、我々は皆さんを応援していきます。

と述べ、今後、チャットボットが新たなイノベーションをもたらす転換期を迎えることへ期待を語り、二日間に渡る白熱したハッカソンの幕が閉じられた。

株式会社ユーザーローカル

『人工知能ボットAPI』