ペイパルマフィアが “不動産売買 x IT” の “PropTech” に挑戦する「Opendoor Labs」がユニコーン企業へ成長

米サンフランシスコのスタートアップOpendoor Labsが、バリュエーション10億ドル(約1,100億円)を超え、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。Opendoor Labsは、独自のアルゴリズムを用いて不動産価値を判定して住宅売買を行う会社。

米サンフランシスコのスタートアップOpendoor Labsが、バリュエーション10億ドル(約1,100億円)を超え、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。

Opendoor Labsは、2014年3月、「不動産業界を、シンプルに。」することをミッションに掲げ、オンラインでのシンプルな不動産売買サービスを通じて、住宅用不動産売買の流動化を目指すために作られた会社。

CEOは、2011年にTruliaに買収された位置情報データ分析会社「Movity」を創業したEric Wu氏、会長はKhosla Venturesのシニアパートナーで、PayPal、Slide、Squareなどで活躍したペイパルマフィアのKeith Rabois氏が務める。Keith Rabois氏が、2003年に、Peter Thiel氏の投資会社Clarium Capitalで働いていた当時にOpendoor Labsの構想を思いついたという。

その他のメンバーには、元Square、元Dropbox、元Foursquare、元AppleのSiriチームのリードエンジニアを務めた人物、Social CapitalやBain Capital、McKinseyで活躍した人物などが名を連ねる。

アメリカでは毎年550万人以上の人々が不動産を売りに出していると言われる一方で、クリーニングや契約締結まで数ヶ月の時間がかかる上にいつ買い手がつくかわからないのが現状だ。

そこでOpendoor Labsは、独自のアルゴリズムを用いて不動産価値を判定して住宅売買を行う。ビジネスモデルは、現金で不動産を購入し、修繕をした上で、より高値の適正価格で再販するという非常にシンプルなものだ。

Opendoor Labsでは、場所・不動産の特性などをもとに独自のアルゴリズムを用いて、市場に対し最大限の競争力を維持した適正な販売価格を、最短3日で算出する。もちろん、売るかどうか悩んでいる場合でも、無料で査定のオファーをすることができるので安心だ。Opendoor Labsは、売り手が不動産の販売価格に納得し、売却を決めた時に手数料を支払う形をとっている。

これまでに、Opendoor Labsは、3,875人の家主に利用されている。現在、ラスベガス、フェニックス、ダラス・フォートワースの3都市のみを対象としている。特に、フェニックスとラスベガスは、2007年の米国の不動産バブルで最も影響を受けた地域でもある。

そのOpendoor Labsが、Norwest Venture Partnersをリード投資家に迎え、シリーズDで2億1,000万ドル(約240億円)の資金調達を実施した。今回のラウンドには、New Enterprise Associates、Felicis Ventures、Caffeinated Capital、SVB Capital、Lakestar、Fifth Wall、Access Industries、GGV Capital、Khosla Venturesも参加した。これにより、事業展開地域を、現在の3都市から来年までに10都市へ拡大する予定だ。

Opendoor Labsのような企業は、米国だけでなく、英国でもNestedなどのスタートアップが台頭し始めている。これらの企業は「PropTech(Property Technologyの略)」企業とも呼ばれる。なお、英ロンドンのスタートアップNestedは、「不動産売買のアマゾン」を目指し、90日以内での不動産売買を実現する会社。