ヒトの集まる「体験作り」から「コンテンツ作り」へ VRソーシャルルームアプリ『cluster.』が遂に正式リリース!シリーズAで総額2億円の資金調達、エイベックスと資本業務提携

VRソーシャルルームアプリ『cluster.』を運営するクラスター社は、エイベックス・ベンチャーズ、ユナイテッド、ディー・エヌ・エー、及び既存投資家のSkyland Venturesと個人投資家より、シリーズAラウンドで総額約2億円の第三者割当増資を実施した、と発表した。また、エイベックスとは業務提携も実施したことを明かした。

VRのさらなる革命を牽引するのは日本かもしれない。

2016年は、VRヘッドセットがコンシューマ製品として複数社から商品化されたこともあってVRの本格的な普及開始の年になった。各社が異なるアプローチで挑んだが、初めてそれぞれのVRデバイスを開発者から消費者まで届けられ、まさに「VR元年」となった。

もちろん、VRの広まり方は地域によってもかなり差がある。今月22日に、Canalysが発表した2017年第1四半期のVR市場の調査結果によると、日本はアメリカに次いで二番目に付けた。今後VR市場は、日本にとっても大きなチャンスが期待されている。

こうした中、VR上でイベントやライブを楽しめる『cluster.』が一般ユーザー向けに正式版サービスの提供を開始した。

『cluster.』は、誰もがVR空間上でルームを作って動画視聴やイベント参加、ライブ体験を共有して楽しめるVRソーシャルルームアプリ。

2016年2月に世界で初めてVR上で180人を同時接続するイベントを開催するなど、かねてより数十回に及ぶテストイベントを開催し、累計数万人単位のユーザーを集め、その正式版リリースが待ち望まれていた。

正式版では、これまで限定していた「開催者」が一般ユーザーに解放される。これにより、誰でもいつでもどこでも、VR空間上でルームを作成し、動画視聴やウェブブラウジングなど1人から数人でも長く楽しめるVR体験を提供し、さらに数十人から数千人規模のイベントを開催できる。


今回のタイミングでは、参加費無料のイベントのみを開催することが可能で、有料チケット機能については当面、問い合わせベース個別に提供する予定という。また初期の対応機種は、VRデバイス(Oculus Rift CV1、HTC VIVE)とPC(Mac、Windows)であるが、今後その他のデバイスにも順次対応する予定だ。

そして本日、その『cluster.』を運営するクラスター社は、エイベックス・ベンチャーズ、ユナイテッド、ディー・エヌ・エー、及び既存投資家のSkyland Venturesと個人投資家より、シリーズAラウンドで総額約2億円の第三者割当増資を実施した、と発表した。

また、エイベックスとは業務提携も実施したことを明かした。これは、今月12日に発表した、作詞家の秋元康氏、AI研究者の松尾豊氏、メンタリストのDaiGo氏が資本参加するイグニス子会社パルスとの業務提携につぐものだ。

* エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 代表取締役社長CEO 松浦勝人氏

**先日の第1回 avex Enter-Tech ピッチイベントにおいて、クラスターが有する高い技術力のみならず、加藤社長の溢れんばかりの情熱を肌で感じ、自分から審査員賞を出させていただいた。今後、クラスターが有するVRのプラットフォーム技術とavexの既存事業とが様々なシナジーや化学反応を起こし、全く新しいライブやイベントの形が生まれて行くことを強く期待している。**

* ユナイテッド株式会社 取締役 兼 常務執行役員 手嶋浩己氏

**クラスター社及びその経営幹部には、この仮想空間上のコミュニティサービスをやる必然性があり、そこには退路を絶った覚悟を感じました。VRという文脈の追い風を受けつつ、本質的に自分たちがやりたいことを研ぎ澄ませ、結果を出してもらいたいです。私も経営的な観点でサポート出来ることは全力で支援していきたいと思います。**

* 株式会社ディー・エヌ・エー 執行役員 原田明典氏

**VRはエンドユーザーの環境としてはまだまだ端緒についたところですが、今後どういうユースから普及していくかと考えた時に、映像やゲームといった純粋なコンテンツだけでなく、他の人と交わるソーシャルな空間というのも可能性があると思われます。共感や一体感と言ったものも従来のネットサービスのレベルを一段超えた体験が提供されることを期待しています。**

今回のラウンドで、エンターテイメントやコンテンツ作りに強い事業会社3社が参加しているのを見ると、今後のクラスター社の方向性を示しているようにも思える。

**これまでカンファレンス形式のイベントが多く、VR空間内で一箇所のルームに集まってお互いにリアクションしながらトークするという体験はかなり出来上がってきた。今後は、そこから一歩進んでデジタルライブやアニメコンテンツを活用したイベントなど、音楽系イベントにも挑戦して、新しいエンタメ体験を創造していきたい。**

そう語るのは、クラスター社代表の加藤直人氏である。これまで約1年にわたって、VR空間上に”ヒトが集まる体験”を作ってきたが、今後は”ヒトが集まるコンテンツ”に注力していくという。その上で、今回の資金調達は、「一緒にコンテンツのタネを作っていけるような方々から投資していただいた」と加藤氏はいう。**「ヒトの行動原理をひもときながら、ヒトが集まるコンテンツを作って、VR空間内にコミュニティを構築していきたい」**

今後、クラスター社では、人気コンテンツを有する企業との協業を積極的に進めていくとともに、スマートフォンやモバイルVRといったマルチデバイス対応を含めてプロダクト改善を進めていくという。

**cluster.は、僕が初めてVRに触れた時に ”この空間で声優に会いたい” と感じた純粋な気持ちから生まれたサービス。今後は、コンテンツ作りに注力しながら新しい体験を作っていきたい。**

**現時点では、無料イベントを一般ユーザーにオープンし、一部のユーザーと有料イベントをテスト運用していく予定だが、ユーザーテストの結果をみて有料イベントのあり方も模索していきたい。**

**また、VRの主戦場はアメリカや中国とも言われるが、マーケットの仕上がり度ではアメリカや中国と日本には大差がない。ただ日本では、割と情報感度の高いギークな人や、ゲーム、アニメなどのエンタメが好きな人に認知されているので、日本ならではの戦い方があると思う。その答えの一つが、キャラクター文化に合ったコンテンツ作りだと思っている。結局VRはリアル映像と3D映像から立ち上がると思っていて、日本の場合は後者が主流になると考えている。**

**僕らとしては、日本で新しい体験を作ったコンテンツを海外へ輸出することで、海外にも軸足を広げていきたい。もちろん、VRが日本で広く一般に普及するには時間もかかるので、スマホ向けに新しい体験ができるコンテンツも作っていきたいと思っている。**(クラスター株式会社 代表取締役社長 加藤直人氏)