チャットボットの先駆け「hachidori」が狙う、企業とユーザーの新しいコミュニケーションのありかた…伴社長が語る、総額1億円の資金調達の裏側とこれから

hachidoriは、2015年6月に設立された、日本初のプログラミング不要チャットボットビルダーであり、LINEなどのプラットフォームに向けた世界初のサービス。同社は、プレシリーズAで総額1億円の資金調達を実施した。

最近、技術的特異点(シンギュラリティ)という言葉が注目されている。人工知能(AI)が、人間の知能を超え得る出来事である。この領域で、注目を集めているのがチャットボットである。フェイスブックがチャットボットのプラットフォームを発表、Slackをはじめとした、世界中の有力チャットアプリの多くが人気を博しており、チャットボットの商業化に企業も熱視線を送る。今後、チャットボットが消費者向けのビジネスの新たな主要チャネルになることは間違いないだろう。

こうした中、驚くほどのスピードで成長を続けているのがhachidori(ハチドリ)である。hachidoriは、2015年6月に設立された、日本初のプログラミング不要チャットボットビルダーであり、LINEなどのプラットフォームに向けた世界初のサービスだ。

hachidoriの社長、伴貴史氏は、新卒で投資銀行に入社。その後、犬好きが功を奏してペットサービスで起業するも、同サービスを運用していく中でチャットボット化する過程で、チャットボット開発支援サービスのニーズに気づき、本格的に事業の構想を思いつく。

**もともとは、ペットのオーナー同士のコミュニケーションツールにチャットボット機能を入れようと思っていたんです。中国でWeChatがチャットボットを強化していくのをみて、コミュニケーションツールよりもチャットボットの方が求められる時代になってくるのではないかと思いました。実際、社内のエンジニアにチャットボットを開発してもらったら、想像していたよりも開発するのに手間がかかったんです。それなら、チャットボットを簡単に作れるツールがあれば、ニーズがあるかもしれないと思いました。また、ちょうどそのタイミングで、フェイスブックやラインがチャットボットプラットフォームを展開することを発表したんですよね。マーケット的にも、これからチャットボットがホットになってくるのではないかと思って、一気にチャットボット事業へ転換しました。**(伴氏)

なんといっても、ミッションや事業の切り口がユニークだ。hachidoriは、「すべての人に、価値ある仕事を。」をミッションにかかげ、チャットボットの開発のみならず、運用や、取得したマーケティングデータの有効活用を、機械学習等の技術を用いて効率化し、チャットでの総合的なマーケティングソリューションへと発展することを目指している。現在、誰でも簡単に高性能なチャットボットを開発できるツール「hachidori」と、法人向けに、チャットボットの開発、運用から、取得したデータをマーケティング活用できるオールインワンソリューション「hachidori plus」を提供する。伴氏は、**「チャットボット開発をトータルサポートできるツールを、完全に公開している点が他社とは異なる魅力であるはず」**と話す。

**hachidoriでは、チャットボットの開発だけにとどまらず、運用から分析ツール、マーケティング支援まで、総合的なマーケティング支援を行なっています。たとえば、ダイレクトメッセージの配信にチャットボットを導入すれば、開封率やクリック率を測定することができるので、一つひとつの要素でコンバージョンをはかることができます。開発から運用、配信までを一括で担えるのが、僕らの強みではないかと思います。**(伴氏)

そのhachidoriは、2017年2月にプレシリーズAで総額1億円の資金調達を実施した。今回のラウンドには、ベクトル、コロプラネクスト、エボラブルアジア、オークファンと、元楽天株式会社の代表取締役副社長である島田亨氏など複数のエンジェル投資家が参加した。

**今回のラウンドは、ベンチャーキャピタルから資金調達をするか、事業会社から資金調達するか、悩みましたが、法人サービスを伸ばしていく上で、スタンドアローンで展開するよりも、どこかの企業と一緒に組んだ方がいいと思い、事業会社を中心に、資金調達を行いました。**

**ベクトルとは、もともと共同での事業開発を検討させていただいており、互いにコミュニケーションをしてきた中で、出資のオファーをいただきました。**

**その後、西江さんよりオークファンをご紹介いただいて、オークファンにも出資していただきました。僕らとしては、いま機械学習の仕組みを取り入れていますが、自社内だけのインハウスで開発を続けていくのは事業スピードに限界があると感じており、一緒に組む相手を探していました。そこで、オークファンをご紹介いただいて、データマイニングが得意な彼らから出資をしてもらうことで、一緒に事業も大きくしていきたいと思いました。**

**エボラブルアジアは、僕らのサービスを利用してくれていてお客さんだったんですよね。彼らの強みである旅行・インバウンドの部分で、僕らとしても事業を伸ばしていきたいという狙いがあったので、今回、出資してもらいました。**

**コロプラネクストは、定期的にツイッター経由で連絡をいただきました。新しく30歳以下に投資するファンドをつくると伺って、一号案件での投資オファーをいただいたので、今回、出資していただきました。**

**島田さんとの出会いは、本当に偶然だったんです。未来2017というピッチイベントに登壇させていただいたのがキッカケで、その場で知り合った田所雅之さんより後日ご紹介いただいた方より紹介を頂きました。島田さんは、インテリジェンスの創業にも携わっていて、法人との繋がりが強い方なので、ご一緒できることになって心強いです。 **(伴氏)

将来的には、多くの企業のユーザーコミュニケーションを設計することで、企業のコミュニケーション改革を支援していきたいという。