クールジャパン機構が500 Startupsへ約11億円を出資 初の海外VCへの出資で日本のスタートアップの「シードから海外進出まで」をトータルサポート

60ヶ国1800社以上のベンチャー企業へ投資するワールドワイドの投資ファンド「500 Startups」は、今回新たに「クールジャパン機構」(海外需要開拓支援機構)より1000万米ドル(約11億円)を上限とする、LP出資を受けた、と発表した。


60ヶ国1800社以上のベンチャー企業へ投資するワールドワイドの投資ファンド「500 Startups」は、今回新たに「クールジャパン機構」(海外需要開拓支援機構)より1000万米ドル(約11億円)を上限とする、LP出資を受けた、と発表した。

クールジャパン機構にとっては、今回が初めての海外ベンチャーキャピタルへのLP出資となる。今回の出資により、クールジャパン機構は、スタートアップの本場・米シリコンバレーのベンチャーキャピタルと初めて連携し、クールジャパン分野で海外展開を目指すベンチャー企業へのシード投資を開始する。

**数あるベンチャーキャピタルの中から「500 Startups」をパートナーとして選んだ理由は、「海外進出を一緒に支援できる」「創業間もない、シード期のスタートアップへの投資に特化している」「メンター制度があり、シード期のスタートアップを育てる仕組みがある」という三つがポイント。**

**クールジャパン分野における海外進出を増やしていきたい。そのために、シード期のスタートアップに対して500 Startupsによる「種まき」を行い、その上で500 Startupsが育て成長したスタートアップに対してクールジャパンで「育成」して、海外進出を支援していきたい。**(クールジャパン機構 投資戦略グループ シニアディレクター 小川剛氏)

500 Startupsは、20ヶ国150人の25ヶ国以上を話すチームメンバーが60ヶ国へのシード投資を行う「グローバルなシードステージベンチャーキャピタル」であり、多くのシードからアーリーステージのスタートアップを様々な方法で投資しており、「小さな投資をたくさんする」ことで大規模で多様性のポートフォリオを構築している。

また、創業まもないスタートアップに対して、独自の事業育成プログラム「500 Seed Program」を行なっており、Intercom、TalkDesk、WHILLなどのスタートアップを600社以上を輩出している。

投資先企業をみると、「Credi Karma」「Twilio」「Grab」といった企業評価額10億ドル以上の企業が3社、企業評価額1億ドル〜9.99億ドルの企業が40社以上ある。

その他に、起業家向けの教育プログラムだけでなく、大企業や投資家に対する教育プログラムを行なっており、「スタートアップエコシステムの構築」を進めている。

さらに500 Startupsの特徴は、何と言っても「地域」毎にマイクロファンドを組成していることだろう。日本ファンドは、2016年2月に投資を開始しているが、これまでに21社に投資している。

今回の資金調達により、500 Startupsは、当初のファンド目標額である3000万米ドルを上回る総額3500万ドル(約38億円)に達し、1号ファンドの調達を完了したそうだ。500 Startups Japan 代表兼マネージングパートナーのJames Riney氏によれば、**「500 Startupsの地域ファンドとして、最大規模になる」**という。

**なぜ500 Startupsがこれほどまでに「日本」へコミットしているのかというと、①スタートアップカンファレンス出席者数が2012年から2015年で10倍の7300名を超えていること、②大学発スタートアップが、2014年には2008年対比で、東京大学で57%、京都大学で31%増加し、上場している大学発スタートアップの企業数も2倍の47社へ増加したことや、Google 検索トレンドで「起業したい」という検索数が増加したこと、③未上場のまま大規模な資金調達が可能な環境が整い、日本の未公開スタートアップの資金調達総額が2000億円を突破したこと、が大きい。**

**ただ、これほどまでに変化に富んでいるにもかかわらず、日本のスタートアップの情報は、日本語での情報発信がほとんどで、英語の情報に乏しい。そのため、海外から見たときにはその変化が伝わりにくい状況にある。僕らは、日本のスタートアップに関する情報を海外へ積極的に伝えていくことで、その問題を解決していきたい。**

**また日本において、未上場企業がグロースのために大規模な資金調達を行う環境は改善されてはいるもの、早期のIPOを選択するケースが多く、上場後は収益性のために成長が鈍化して犠牲にせざるを得ないこともある。**

**今後、クールジャパン機構とのパートナーシップによって、500 Startupsとしてシードステージにおけるグローバル展開のための基盤構築を支援し、グロースステージにおけるグローバル展開をクールジャパン機構と共に加速していきたい。**(500 Startups Japan 代表兼マネージングパートナー James Riney氏)

なお、500 Startupsとクールジャパン機構との投資支援における連携については、両社の投資先である「Tokyo Otaku Modeがわかりやすい事例のひとつ」(500 Startups Japan マネージングパートナー 澤山陽平氏)であるとのこと。