エンジニア離職率ゼロ、働きやすい会社Fringe81が「組織作りのオープン化」 共に働く仲間と送り合う、新しい成果給のカタチ『Unipos』がまもなく登場

エンジニアにとって、本当に「働きやすい環境」とはどのようなものだろうか。Fringe81の取材から浮かび上がってきたのは、「働きやすくなるための工夫」がすべて盛り込まれていることだった。「エンジニアにとって、働きやすい」強い組織づくりのポイントはどこにあるのだろうか。その秘訣を、Fringe81代表の田中弦氏に聞いた。

エンジニアにとって、本当に「働きやすい環境」とはどのようなものだろうか。Fringe81の取材から浮かび上がってきたのは、「働きやすくなるための工夫」がすべて盛り込まれていることだった。

Fringe81は唯の広告会社ではない。2005年の創業から12年、社員数は全体で約130名、そのうち3分の1がエンジニアだ。ビジネスサイドだけでなく開発サイドも、社員たちが躊躇なく「働きやすい環境」と認め、その結果「3年以上、エンジニア離職率ゼロ」を成し遂げる。「エンジニアにとって、働きやすい」強い組織づくりのポイントはどこにあるのだろうか。その秘訣を、Fringe81代表の田中弦氏に聞いた。

Fringe81の「働きやすさ」とは一体どこにあるのだろうか。その理由を紐解いてみると、4つのユニークな特徴が鍵をにぎるようだ。

まず、全社員に「成果給」を導入している。成果給は、成果を出せば出すほど手取り額が増えるというものであり、販売・営業成績など比較的数字として成果がわかりやすいビジネスサイドでは導入されている企業も多い。しかしFringe81では、**「特定の職種だけにインセンティブが出るような仕組みは許さず、みんなに平等に機会を与える」**(田中氏)ようにしているという。

また、「コアタイム2時間」という驚異のフレックスタイム制度をとる。午後1時から午後3時までの2時間をコアタイムとし、1日の所定労働時間8時間を規定している。時間にしばられることなく、ワークライフバランスを重視した働き方を積極的に取り入れることで、社員一人ひとりの「時間の使い方」を重視し、効率的な働き方を推進する。**「コアタイムが2時間ならいつでも会社に来ることができる。エンジニアのリモートワーカーはゼロ」**(田中氏)

さらに、「バンチ」という、組織に横串を入れるための施策がある。Fringe81は、第三者広告配信『digitalice』やタグマネジメント『TagKnight』、動画アドネットワーク『Ravid』などのアドテクのプロダクトの提供と導入支援を行いながら、コミュニティアプリ『シンクル』といったインターネットメディアを運営する。それぞれの事業ごとの組織をもつと同時に、複数の事業部を横断した「バンチ」という横串を入れる施策が、現場主義的な発想であり、社員同士のコミュニケーションを活性化していくには欠かせない。

「バンチ対抗戦」は、新卒の若手社員を「バンチョウ」として8つの「バンチ」に分かれ、リレー対決、料理対決、ゲーム対決などを月に一度繰り広げるというもの。3年前からはじまった取り組みだが、定期的にメンバーを入れ替えるため、普段の業務に関係する人だけでなく**「必ず、社内全員の顔を覚えられる」**(田中氏)という。

そして、「発見大賞」というMVP制度である。通常、MVP制度というと、比較的数値化しやすい営業など特定の社員に集中しやすい傾向にあるが、Fringe81のMVP制度「発見大賞」なら、エンジニアでも営業でも社員全員が同じ視点で評価される。

同社では、社名にある「Fringe」は「限界を超えた、前衛的な」などといった意味合いを持つ単語で、現時点の最先端」「未来の当たり前」という意味合いで捉えており、また日本の国番号「81」を背負った「最先端の集団」である、という社名の由来を常に意識することで、最先端のデジタルテクノロジー・サービスを通じて社会課題を解決する集団であることをミッションとして考えている。

そのビジョンを体現する、一つの仕組みが「発見大賞」と言えよう。「発見大賞」とは、毎月、自分以外の人のいい所や頑張っている姿をみて「頑張っていて素敵だ」と思った人を発見し、発見した人から発見された人のストーリーを語り、投票で「一番発見された人」を選び表彰するというもの。

”自分とおなじ部署でない人が手伝ってくれた”とか、”こんな良いことをしてくれた人がいた”ということをお互いに発見することで、営業でもエンジニアでもポジション関係なくみんなに平等にスポットライトが浴びるようになったし、エンジニアからヒーローが生まれるようになった。発見する人と発見された人が、面と向かってストーリーを話すと、みんな照れ臭そうにするけど、表彰されると嬉しいもの。4年前に発見大賞を導入した当初は、1年間、手運用で、付箋にストーリーを書いてもらって、それを社長である僕が回収していた。それが、人事部に任せるようになったり、ウェブフォームで入力するようになったり、少しずつ変わってきた。(田中氏)

なお、直近の3か月で一番発見された人は、普段業務ではあまり目立たないエンジニアであった。彼は、将来的にアプリ制作にかかる人件費の削減に繋がる新技術(React Native)を社内で初めて開拓した人物だった。こうした数値としてすぐには現れないものの、組織にとって重要な貢献に対する発見が、毎月後を絶たないと言う。

エンジニアにとって働きやすい環境、それは、可視化されたビジョンやミッションのもと、ビジネスサイドもエンジニアサイドも、平等に評価される環境で、互いに良いところを褒め合うことで、働きやすい環境、強いては一体感のある強い組織を生み出すのかもしれない。

これまで組織マネジメントで失敗したこともあった中で、この4つにたどり着いたことで、エンジニア離職率ゼロを達成できたし、誰にとっても働きやすい環境ができたと思う。特に、発見大賞が大きく貢献している。(田中氏)

急激に成長するスタートアップにとっては、事業が拡大するにつれて、創業期に比べて生産性が落ちてしまい、組織づくりに悩む起業家もいるだろう。もちろん、それはFringe81の田中社長も例外ではなかった。しかし、Fringe81をみていると、スタートアップの組織作りという前代未聞の問いに対して一つの答えを提示してくれているように思える。

僕らは、Fringe81の歴史とノウハウが詰まった仕組みをオープン化していきたいと思っている。それが、日本のスタートアップの生産性を上げることにもつながると思うし、エコシステムのために必要なことだと思う。スタートアップは拡大期に入ると、急成長なほど組織作りの壁にぶつかり、創業期よりも生産性が非効率になってしまうことがよくある。その要因の一つが、中間マネジメント層であると思う。現場のプレイヤーだった人が急にマネージャーになると、自分のやり方を押し付けたりして、部下を叱ることはあれども褒めることをできずに、会社全体から元気が無くなってしまうこともある。強い組織を作るためには、賞賛・指導・評価を可視化し、蓄積していくことが必要。それが、企業文化の伝承に繋がり、10人でも50人でも100人でも生産効率の良い組織を作ってくれる。(田中氏)

その田中氏の言葉を形にしたのが、Fringe81が2017年6月にリリース予定の新しい成果給『Unipos(ユニポス)』である。サービス名の『Unipos』とは、Unite(一体にする、団結させる)とPost(投稿)/Positive(積極性、ポジティブ)/Point(ポイント)が合わさった造語。従業員に成果給を支払う権利の一部を付与することで、共に働く仲間同士がリアルタイムにフィードバックとインセンティブを送り合う、現場主導の新しい成果給『ピア・ボーナス』を簡単に実現する。Fringe81の組織づくりの集合体とも言えるSaaS型のサービスである。

組織作りの中でも給与制度は、どの会社でもぶつかる悩み。給与制度というと、これまでは一対一の評価でしかなかったが、それをN対Nで実現できるようにしたのがUnipos。将来的には、組織の枠組みを超えて、みんなが情報共有できるコミュニティを、Uniposの中に作っていきたい。(田中氏)