インバウンド向けSIMカード無料配布&店舗マッチングサービス『Trip Free』のBridgeが資金調達…Bridge代表松本氏「iSGSと共にインバウンド市場に挑む」

今回、Pedia Newsでは、Bridge代表取締役社長の松本雄介氏に、インタビューを実施し、Bridge創業からサービス誕生、今回の資金調達の経緯、そして今後の展望を伺った。

訪日外国人旅行客が初めて2,000万人を突破した。東京、名古屋、京都、大阪など「ゴールデンルート」と呼ばれる都市部を中心に、街中では多くの外国人が溢れ消費の担い手として存在感を高める一方、その増加ペースにはかげりも見られる。政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に、日本を訪れる外国人旅行者を4,000万人に倍増する目標を掲げるが、達成に向けては新たな施策が必要となりそうだ。

カギを握るのは、訪日外国人旅行客に対する受け入れ態勢の充実だ。総務省・観光庁の調査によれば、外国人旅行者の多くが「無料公衆無線LAN環境」「SIMカードの入手、利用手続き」「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」という悩みを抱える。

きょう11月8日、BridgeはシードラウンドでiSGSインベストメントワークスより資金調達を実施したことを発表。Bridgeは、サイバーエージェントとリクルート出身者によって設立された会社。インバウンド向けSIMカード無料配布&店舗マッチングサービス『Trip Free』を手がける。

### Bridge代表取締役社長の松本雄介氏が初めて語る

今回、Pedia Newsでは、Bridge代表取締役社長の松本雄介氏に、インタビューを実施し、Bridge創業からサービス誕生、今回の資金調達の経緯、そして今後の展望を伺った。

### 「世界に向けたサービスを発信したい」

世界に向けたサービスを発信したいーーー松本氏はその熱い想いを胸に、今年1月Bridgeを創業。海外でサービスを立ち上げることも検討したが、生まれ育った日本から世界に向けたサービスを発信したいと考え”インバウンド”をコンセプトに事業を検討する。

### 1週間で100人の訪日外国人旅行客に街頭アンケート

当初、訪日外国人向けタクシー配車サービスを検討していたが、街中へ繰り出し、外国人旅行者にヒアリングする中で、インバウンド向けSIMカード無料配布&店舗マッチングサービス『Trip Free』に至ったという。

### データだけでは見えない、日本が抱えるインバウンドのリアルな課題に直面

東京でも外国人旅行者の多い銀座や浅草を中心に、1週間に約100人外国人旅行者の方々に街頭アンケートを実施しました。そうすると、大きく3つのことに困っていることがわかりました。

1つ目は「日本の地理がわからない」「道が細く入り組んでいたり地下鉄も複雑だったりするので地図アプリを利用してもわかりにくさがある」というものです。2つ目は「日本のインターネット環境が使いにくい」「SIMカードの購入場所が少なかったり無料公衆無線LANを利用するにしても毎回パスワードを入力しないといけなかったり日本固有のインターネット環境に慣れない」というものです。そして3つ目が「英語でのコミュニケーションが取りにくい」というものです。ホテルなどの飲食店では英語でのコミュニケーションも取りやすいですが、ひとたび街中に繰り出すと、英語でコミュニケーションが取りにくい状況があります。街頭アンケートの中では「電話で予約するにも勇気がいるのに英語で飲食店に電話すると断られる」ケースが多いという声もありました。【松本氏】

### インバウンド向けSIMカード無料配布&店舗マッチングサービス『Trip Free』誕生

訪日外国人旅行者と対話する中で、統計データだけでは見えない日本が抱えるインバウンドのリアルな課題に直面した。市場の”なまの声”に耳を傾けるからこそ、松本氏が率いるBridgeは『Trip Free』をはじめるのだ。そして、目には見えない暗黙の国境を、サイバーエージェントとリクルートで培った抜群の営業力とインターネットの力で乗り越え、世界の架け橋(Bridge)となり世界をひとつに築き上げる。

『Trip Free』は、インバウンド向けSIMカード無料配布&店舗マッチングサービス。訪日外国人旅行者にSIMカードを無料で提供し、店舗誘導ごとに成果報酬を得る。ユーザーは、配布されたSIMカードを一定の通信量までは無料で使用でき、さらに『Trip Free』がお勧めする店舗を訪問、あるいは飲食やチケット予約(事前決済)を行えば、無料でデータがチャージされる。店舗は、訪日外国人による来客が増えるほか、事前決済機能を持つ予約でキャンセルリスクをコントロールしながらマッチングされる。『Trip Free』のSIMカードは、現在、都内を中心としたホテル・ホステル約10棟で設置されており、約1万5,000人の訪日外国人客へリーチする。

### 「iSGSさんと共にやっていきたい」

Bridgeは、きょう11月8日、シードラウンドでiSGSインベストメントワークスより資金調達を実施したことを発表。今回の資金調達によって、開発体制及び営業体制の強化のための人材の獲得を大幅に加速させ、2018年には年間30万人の訪日外国人旅行者へサービス提供することを目指す。松本氏は「iSGSさん共にやっていきたい」という。

資金調達は設立当初からずっと考えていました。前職のサイバーエージェントである程度実績を出せていたこともあり、創業時から様々なVC(ベンチャーキャピタル)さんからお誘いをいただいていました。皆さんとても良い方で、いろんなアドバイスをいただけたのですが、それぞれ異なり全部バラバラの方向で、何が大事なのかわからなくなり自分のやりたいこともフワフワしてしまってこれは良くないと思ったんです。そこで、最初の資金調達は1つにしぼりたいと考えるようになりました。

いろいろな方々と話していく中で、五嶋さんと佐藤さんは、僕らのことを親身に考えてくださっていましたし僕らには無いものを持たれていると感じました。実際、サービスの内容も今回の資金調達の詳細もiSGSさんと一緒に詰めていきました。僕はいろいろ考えても最後は勢いに任せてアクセルをかけてしまうところもあるのですが、そこを五嶋さんや佐藤さんがブレーキをかけてくださるので、とても助かっていて信頼できる方だと思っています。「iSGSさんと共にやっていきたい」そう考えて今回の資金調達が決まりました。今回いただいた資金を使って、今後半年間で一気にドライブかけていきたいと思います。【松本氏】

起業家と投資家、まさにアクセルとブレーキのように相互に補完し合える信頼関係が、今回の資金調達の決め手だったのだろう。

### 「それがいまの僕の夢です」

松本氏によれば、短期的(1年後)には、『Trip Free』において、①シティホテルやビジネスホテルを中心にSIMカード設置の販路拡大、②OTA(オンライントラベルエージェント)との提携、③登録店舗を現在の飲食店からイベントや体験型施設へジャンル拡大、を進めるという。長期的なビジョンについて、松本氏は、熱い眼差しで以下のように語った。

僕らのビジョンは「世界の架け橋を作る」、ミッションは「国境を超えた選択肢をユーザーに与えてユーザーがそれでハッピーになる」ことを目指しています。今後、世界では国境がどんどん無くなっていくと思っています。もちろん情報、距離、言語、コストなど様々な問題がありますが、いま、情報ならGoogle、距離ならVRやHyperloop、言語ならリアルタイム翻訳などがあります。もっとコストを下げることができれば、日本から海外、海外から日本、という環境をもっと増やすことができると考えています。僕らはそれを加速させるために、第一弾として『Trip Free』をリリースしました。「コストを全部ゼロにして余った分を全部体験に使ってほしい」例えば、食事のグレードアップ、訪問先のグレードアップ、滞在期間を1日長くするなど、もっと体験に使ってもらいたいと思っています。なので、電車やタクシー、飛行機などの移動手段も無料にしていきたいとも考えています。

ゆくゆくは世界中のユーザーに使ってもらえるようなプラットフォームにしたいです。「ユーザー同士が自分の行きたいお店やイベントをリスト形式で並べて、それを互いにお勧めし合えて互いに予約代行もできて、そこで作った原資や広告費を元に、滞在先や旅行先で利用するものを無料にする」2020年にはそういう世界を実現できるプラットフォーム開発に向けて動いていたい、それがいまの僕の夢です。【松本氏】