インターネットの力でモノづくりの未来をつくる製造業のGoogle「アペルザ」がGMOベンチャーパートナーズから総額1.5億円を資金調達…アペルザ代表の石原氏が語る、今後の展望

株式会社アペルザは、GMO VenturePartners(GMOベンチャーパートナーズ)から総額1億5,000万円の資金調達をしたことを発表。今回、Pedia Newsでは、株式会社アペルザ 代表取締役社長 石原誠氏にインタビューを実施し、今回の資金調達の経緯と今後の展望を伺った。

製造業の産業構造そのものを大きく変えると言われる「インダストリー4.0」。スマートフォン市場の拡大、センサーや無線チップなどの小型化及び低価格化、無線通信インフラの整備と普及の影響による、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)市場の拡大を背景に、インターネットや人工知能(AI)といったテクノロジーを活用し、モノづくりや産業構造、ひいては社会に大きな変化をもたらそうとする、インダストリー4.0が注目されている。これは、ドイツが、2005年に「2020年のハイテクノロジー戦略」で生産プロセスのデジタル化を指摘し、2011年に産民学が一体となってこの課題に取り組むべきだと国を挙げたプロジェクトして提唱したもので「第4次産業革命」とも呼ばれる。

ドイツの「インダストリー4.0」の影響を受け、アメリカではモノ・機械中心のインターネット革新である「インダストリアル・インターネット」、中国では2049年の中華人民共和国建国100周年までに世界の製造大国として製造業の強化・スマート化を目指す「中国製造2025」など、世界各国で同時多発的に第4次産業革命に向けた取り組みが進行している。

一方、日本は、高度経済成長期に「Made in Japan」で「モノづくり大国」という名を欲しいままにしてきた。2000年以降の低価格化競争の激化により、日本の製造業は積極的にアジア展開を推進し、中国や東南アジアの市場を開拓してきた。東南アジアにおいては販売市場としての魅力も大きくなり、世界で大きな市場変化がある今、日本の製造業はグローバルでの競争に勝ち抜くため、更なる激動の時代に突入している。

その中、20兆円を超えると言われる製造設備市場に注目するスタートアップがある。それが、キーエンスや楽天、IBM出身者などが経営メンバーに集う「アペルザ(aperza)」だ。日本の製造業に活力を与え、モノづくり大国ニッポンを復活させるために、インターネットの力でモノづくりにおける産業構造のリデザインを目指す、それがアペルザのビジョンだ。

株式会社アペルザは、本日(11月28日)、GMO VenturePartners(GMOベンチャーパートナーズ)から総額1億5,000万円の資金調達をしたことを発表。今回、Pedia Newsでは、株式会社アペルザ 代表取締役社長 石原誠氏にインタビューを実施し、今回の資金調達の経緯と今後の展望を伺った。

アペルザは、今年7月、製造業向けWEBサービスを手がける「株式会社クルーズ」に、製造業に特化したコンサルティング企業「株式会社FAナビ」と、40年以上の歴史のある業界新聞である「オートメ新聞株式会社」の2社が加わってできた会社である。製造業市場の中でも、製造現場で必要な間接材(生産財)市場にフォーカスした事業を展開する。

間接材(生産財)とは、製造業を担う工場が購入するもので、生産に直結する原材料・資材・部品などの直接材と比較し、不特定の調達先と少量あるいは不定期の取引を行うこともあり、IT技術による自動化など合理化されておらず、改善の余地が大きい。

**僕らは、グーグルやアマゾン、楽天、Yahoo!のような、B2Cの分野で業界構造を大きく変えてきたインターネットサービスのモデルを、B2Bの製造業分野に最適化して持ち込むことで、「次世代型ものづくり」といえる産業構造を構築したいと考えている。**(アペルザ 代表取締役社長 石原誠氏)

そこで、アペルザは、間接材市場の上流から購買まで連続的に、購買プロセスに合わせたサービスを提供している。これにより、モノづくりにおける「情報流通」「取引のあり方」「コミュニケーション」という3つの壁を取り除くことで、新しいモノづくりの産業構造の構築を目指す。

中でも、アペルザの主力事業は、製造業向けカタログポータル『Cluez(クルーズ)』と、工業用資材の価格検索サイト『Aperza(アペルザ)』だ。

『Cluez』は、日系製造業の優れた技術・製品を世界に発信する、製造業向けカタログダウンロードサイト。11月28日時点で1,500社以上が出展し、登録カタログ数は6,000点を超える。

『Cluez』では、半導体・電子部品、機械部品、工作機械、産業用ロボットなど約3,500分類を網羅し、日々の情報収集から調達購買品の検索選定などで利用されている。会員数は10万人規模。トヨタ、ソニー、ソフトバンク、任天堂など大手企業が利用する。

またビジネスモデルは、サブスクリプションモデルをベースとしている。生産財メーカーにとっては、サイトに集まるユーザー向けにマーケティング・セールスを行えるのが魅力だ。そのため、パナソニック、東芝、キャノン、ヤマハなど、1,500社を超えるクライント企業が利用する。

さらに『Cluez』は、日本でのリリースと同時に台湾でもサービス提供を開始。日本語、英語、中国語(繁体字)に対応している。さらに、年間5億PVを誇る中国最大の製造業向けサイト『gongkong』と戦略的業務提携を提携し、中国市場にも展開する。

**製造業の中でも生産財では、未だに、紙のカタログで商品を選び購入する習慣が強く、展示会などオフラインの場で新製品を発表することが通例でもあります。つまりアナログ中心の市場であると言えます。**

**生産財メーカーにとって重要なのは、これまで積極的に利用できてこなかったインターネットを活用し、戦略的なマーケティングを実施していくことです。これを裏付けするように『Cluez』はリリース直後から反響が大きく、出展企業は想定以上のスピードで増加しています。**(アペルザ 代表取締役社長 石原誠氏)

一方、『Aperza』は、生産材分野で国内初となる購買時に必要な情報を横断的にまとめた、製造業向け工業用資材の価格検索サイト。「製造業版価格コム」と言えばイメージしやすいだろう。現在、8月のリリースから約3か月で280万点以上を掲載する。

**製造業の購買品の選定では、必ず複数社から見積もりを取ります。ただ未だにオフライン中心で、インターネット化されていない部分が多く、改善の余地が多いです。**(アペルザ 代表取締役社長 石原誠氏)

『Aperza』では、様々なメーカーの製品情報に、商社やECサイトを運営するサプライヤーの価格情報を加えて掲載し、製品情報から販売情報までネット上に存在する多くの情報を1ヶ所にまとめることで、製造業の調達購買に関わる技術者及ひ購買担当者の利便性を追求する。

今回、アペルザは、GMO VenturePartnersから総額1億5,000万円の資金調達を実施。今回の資金調達の経緯について、石原氏は

**4月からベンチャーキャピタルや事業会社など投資家の方々にはお会いしていました。ただ手元のキャッシュである程度(会社・事業が)回っていたこともあり、急いで資金調達をしようという形ではありませんでしたが、GMO VenturePartnersさんに惚れたんです。GMO VenturePartnersさんとお話をした際に「ピンと来る」ものがあって「一緒に組みたい」と思いました。村松さん(GMO VenturePartners 取締役 / ファウンディングパートナー 村松竜氏)は、ご自身で1,000億円規模の企業を創ってきた経験者だけあって、僕らに対する理解が非常に速く、「この領域は聖域だ」ともおっしゃってくださいました。またGMOグループには、GMOペイメントゲートウェイという強力な決済事業があり、僕らのビジネスとの相性が非常に良いことも決め手となりました。**(アペルザ 代表取締役社長 石原誠氏)

と説明し、起業家と投資家の相性、そしてシナジー力の高さが、今回の資金調達の決め手となったことを明かしてくれた。

アペルザは、GMO VenturePartnersという相性抜群の強力なパートナーとともに、あるべき次世代の製造業の姿に向けて、今後どのような展開をしていくのだろうか。最後に、石原氏は、まっすぐな眼差しで次のように語ってくれた。

**今後は、既存事業をさらに伸ばしながら、創業時に描いたブループリントでまだ埋まっていない「マーケットプレイス」に挑んでいきたいと考えています。7月に今のオフィスに移転した当初は、今のように大きくアクセルを踏む想定ではありませんでした。しかし今夏に戦略を見直した結果、想定以上のスピードで大きく成長し始めています。今回調達した資金によって、特に営業やオペレーションの人材を強化し、自分たちのキャッシュだけではできなかったようなスピードで、さらに加速していきたいと思います。**(アペルザ 代表取締役社長 石原誠氏)

株式会社アペルザ

製造業向けカタログポータル『Cluez(クルーズ)』

工業用資材の価格検索サイト『Aperza(アペルザ)』