【16年通期決算】メタップス、「知能革命」で2020年に取扱高1兆円、売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す…「データノミクス構想」を発表

今回、Pedia Newsでは、10月17日に公開された決算短信、決算説明会資料、及び中期経営方針をベースに、メタップスの2016年8月期の通期決算(2015年9月1日から2016年8月31日まで)の決算を紹介する。

2017年3月期の企業の第2四半期(2016年7月〜9月期)の決算発表が本格化している。

* 参考記事:**決算シーズン到来!注目IT関連株の決算スケジュールまとめ(2016年10月末)**

### メタップス、16年8月期通期決算

その中でも、注目企業の一つであるのがメタップス

今回、Pedia Newsでは、10月17日に公開された決算短信と決算説明会資料をベースに、メタップスの2016年8月期の通期決算(2015年9月1日から2016年8月31日まで)及び中期経営方針を紹介する。

### 売上高は約89億円、大幅増収

まず、メタップスの2016年8月期の通期決算を見よう。売上高は88億8,600万円(前年同期比115.4%増)、営業損益は3億1,000万円の赤字(前期3億2,000万円の赤字)、経常損益は5億5,300万円の赤字(同3億4,900万円の赤字)、最終損益は8億1,700万円の赤字(同3億9,000万円)の赤字。

メタップスでは、主力のアプリ収益化事業がグローバルで継続的に好調で、注力サービスであるアプリ収益化プラットフォーム「metaps」などの既存サービスが堅調に推移した、という。

その一方で、決済プラットフォーム「SPIKE」をはじめとする新規サービス開発のための先行投資を積極的に実施したことで、引き続き営業損失を計上した、としている。

### 2017年8月期通期は、売上高180億円へ

2017年8月期の通期業績予想については、主力事業のマーケティング関連事業と拡大基調にあるファイナンス関連事業により、売上高が180億円、営業利益が7億円の計画。

#### 今後は「マーケティング」「FinTech」「コンシューマ」に注力

それに伴い、今後は、以下の3つを注力する。

1. 「マーケティング関連事業」は、アジアを中心としたグローバル市場でシェア拡大
* 取引企業の拡大
* 自社広告ネットワークの拡張及び外部広告ネットワークとの連携強化
* グローバルでの戦略的業務提携
2. 「FinTech(フィンテック)関連事業」は、決済を軸に二つ目の事業の柱に成長
* 子会社「SPIKEペイメント」「ペイデザイン」による決済サービスが軸
* マーケティング支援、電子マネーなどFinTech分野への事業拡大を推進
3. 「コンシューマ関連事業」を展開・強化
* マーケティング関連サービス及びファイナンス関連サービス得た、様々なデータをはじめとした事業資産を活用
* グループ内のみならず外部企業とも積極的に協働して活用

### ネクストステージへ!中期経営方針を発表

ここからは、中期経営方針を見よう。メタップスでは、中期経営方針として、2020年に向けて、成長戦略として「データノミクス構想」、重点投資として「FinTechとAIへの投資」、数値目標として「トリプルワンの達成」の3点を発表。

### 2020年、未来の変化を想像しよう

メタップスによれば、2020年にはインターネットにつながるスマートデバイスが500億台を超え、あらゆるモノが常時インターネットにつながる時代に突入し、個人の行動パターンが全てデータ化する「ハイパーコネクティビティ」の世界になる一方で、膨大なデータが氾濫する時代になるという。

#### 「知能革命」で”IT”の意味が変わる

その中で、発生する大きな変化として、メタップスでは、「知能革命」を考えている。この「知能革命」とは、AI(人工知能)が急激に発達して生物固有の特徴とされた知性があらゆる物質に宿ること。

「知能革命」によって、今後20年で、情報は知能に進化を遂げ、ITの意味も”Information Technology”から”Intelligence Technology”に変化するという。つまり、コンピューターはデータを学習することで「学習する子供」から「知性ある大人」に成長する。

#### 「知能革命」が産業構造を変革する

もちろん「知能革命」は段階的に行われるもの、という。第1フェーズでは広告・金融・メディア・ECなどの知的労働、第2フェーズでは運輸・警備・農業・製造などの肉体労働、第3フェーズでは法曹・会計・介護・医療などの専門業種が、AIによって効率化し、最終的には産業構造そのものが変革する、と考えているそうだ。

### 中期経営方針①:成長戦略「データノミクス構想」

そこで、メタップスでは、データとAIを軸とした経済圏の構築「データノミクス」の実現を目指す。

具体的には、顧客行動がデータとして可視化される時代において、「ファイナンス」「マーケティング」「コンシューマ」の3事業を通して得られるデータを軸に経済圏を構築する。

#### 「データノミクス構想」の4大要素はコレだ!

また「データノミクス構想」は、①データの統合管理、②AIによる反復学習、③事業領域の拡大、④決済基盤の共通化の4要素で成り立ち、データの学習量に比例して、競争優位性が高まる仕組み。

①の「データの統合管理」については、事業の全データをMID(Metaps ID)として統合管理する。メールアドレスやアプリIDなど異なるタイプのデータを全て集約することで、AIの学習対象にする。

②の「AIによる反復学習」については、①の「データの統合管理」で集約したデータを分析し、パターン抽出、モデル構築を繰り返すことで、自社事業にフィードバックし、事業成長の加速化を支援する。

③の「事業領域の拡大」については、既存事業と隣接する領域に対して、継続的に新規参入することで、事業シナジーを追求するとともに、業務プロセスを自社で完結させて利益率を高める。

④の「決済基盤の共通化」については、決済インフラを共通化し、お金の流れを自社グループ内で完結させることで、経済圏を形成する。

### 中期経営方針②:重点投資「FinTechとAIへの投資」

重点投資の「FinTechとAIへの投資」については、短期目標として「次世代の新しい金融機関のロールモデルを作る」ことで、お金のビッグデータを扱うテクノロジー企業として成長することを目指す。これにより、メタップスは、同社のミッションである「テクノロジーでお金の在り方を変える」ことを推進する。

#### 決済を軸にフィンテックへ全方位参入

FinTech領域の事業展開方針としては、決済を軸に金融領域全てに参入し、全方位で展開する予定。なお、単独参入が難しいものについては、既存金融機関と積極的に提携する、という。

#### 決済の次は「融資」「投資」、そして「仮想通貨発行」

具体的には、決済、融資、投資の順番で展開し、最終的には仮想通貨を発行予定。リアルタイムの決済データをAIが分析し、最適なタイミングで最適なサービスとのマッチングを促すプラットフォームを展開する考えだ。

すでにメタップスでは、みずほフィナンシャルグループと業務提携に向けた基本合意を締結している他、100種類以上のデータを学習してお金の流れを予測するAI「Laplace(ラプラス)」の研究開発を開始している。

* 参考記事:**みずほFG、みずほ銀行、メタップス、WiLが、フィンテックを活用した新たな決済サービスの提供を目的とする業務提携で基本合意**

### 中期経営方針③:数値目標「トリプルワンの達成」

#### これまでの5年間は「倍々成長」

数値目標「トリプルワンの達成」については、これまで5年間の業績が、年次成長率134%、売上成長約30倍、売上推移は3億円から89億円へ増加していることを踏まえ、2020年に向けて年次成長率100%超えの増収を4年間継続させる。

#### 2020年はトリプルワンへ!取扱高1兆円、売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す

その結果、メタップスでは、2020年に、取扱高1兆円、売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す。

### 海外事業が好調、今後は現地化・M&Aを進める

一方、今後の海外事業については、中華圏(中国、台湾、香港)、韓国、日本の3エリアを重視するとともに、徹底した現地化を進め、さらに現地でもM&Aを積極的に展開していく。実際、2016年8月期のマーケティング関連事業の海外売上比率は60%で、中華圏と韓国で急成長中。

### 内製・M&A・JVの組み合わせで最速成長へ

最後に、M&A/アライアンスの方針と組織戦略を見よう。メタップスでは、内製、M&A(買収)、JV(合弁会社)を状況に応じて柔軟に使い分けて最速での成長を目指す。

#### メタップスのM&A戦略は?

M&Aでは、事業シナジーのある成熟期の企業を中心に買収を検討し、PMI(買収後の経営統合)によって再成長を促す。

#### JVは「エネルギー」「宇宙」「生命」で検討

JVは「規制業種であり単独参入が困難な場合」「資本力や特有のノウハウが必要な場合」の2つで検討する。対象となる領域は「エネルギー」「宇宙」「生命」の3つ。

### 実質的な事業持株体制へ移行

さらに、今回メタップスは、実質的な事業持株体制へ移行したことを発表。これは、急拡大に備えて意思決定の迅速化を図るとともに、グローバルを含めた経営管理の効率化、新規事業の立ち上げとM&Aを加速化させることによるもの。

#### MGO制度を新設

加えて、メタップスでは、MGO(Metaps Growth Officers、特命担当執行役員)制度を新設。MGOでは、原則任期が1年、毎年30%を新しい人を登用し、グループ特定の課題数に応じて毎年人数を設定する。これにより、時代の変化に迅速に対応し、グループ会社の横の連携を強化するとともに、若手・新人を抜擢していく。

### 事業成長を加速化、長期ビジョン「世界の頭脳へ」を実現

なお、メタップスでは、長期ビジョンとして「世界の頭脳へ」をキャッチフレーズに、コンピューターにあらゆるデータを学習させ、人々の最適な意思決定を支援する頭脳になることを目指している。