【LINE決算説明会】モバイルや広告事業の売上高や業績を分析

今回、Pedia Newsでは、10月26日に公開された決算短信、決算説明会資料、決算説明会及びその質疑応答をベースに、LINEの2016年12月期第3四半期(2016年7月〜9月)の決算を紹介する。

2017年3月期の企業の第2四半期(2016年7月〜9月期)の決算発表が本格化している。

* 参考記事1:**決算シーズン到来!注目IT関連株の決算スケジュールまとめ(2016年10月末)**

2016年第3四半期、LINE決算説明会より決算分析

その中でも注目企業のひとつがLINE(ライン)だ。LINEは、10月26日、2016年12月期第3四半期の決算を発表するとともに、決算説明会ウェブキャストを開催した。

* 参考記事2:**【速報】【16年3Q連結】LINE、売上収益は17.2%増の増収 月間アクティブユーザー数2.2億人を突破…4Qは新作「LINE POPショコラ」を発表予定**

今回、Pedia Newsでは、10月26日に公開された決算短信、決算説明会資料、決算説明会及びその質疑応答をベースに、LINEの2016年12月期第3四半期(2016年7月〜9月)の決算を紹介する。

四半期ベースで増収、広告の売上は全体の40%へ成長

まず第3四半期の決算を見ると、売上高359億円で、四半期ベースで増収が継続した。広告事業の順調に拡大しており、売上収益全体に占める割合が40%まで増大した。

利益面は、第2四半期で特別利益があったのに対して、第3四半期では営業利益ベースで黒字化が進んだ。

LINE広告の売上は前四半期比17.7%増加

事業セグメント別に見ると、広告事業の売上高は前年同期比52.0%増・前四半期比14.8%増の145億円で好調な業績が続いた。特に、LINE広告の売上高は前年同期比66.2%増・前四半期比17.7%増の120億円で、パフォーマンス型広告が伸長している。

パフォーマンス型広告は、各サービスの成長、タイムラインのアドロードの増加、ニュースの広告掲載面の拡大にともない、広告在庫が増加した。加えて、広告主数が500社を超え、活発な入札が行われた結果、広告単価も増加した。

また、決算説明会の質疑応答の中で、LINE代表の出澤剛氏(出澤氏)は、タイムラインとLINE NEWSの成長によって、第3四半期で、imps数が約100億impsとなり、クリック数レートも堅調に推移し、CPMが上がっていることを明かした。

一方、メッセンジャー型広告は、有料公式アカウント数が順調に増加し、公式アカウントの売上は継続的に拡大した。

コンテンツは「LINEレンジャー」減速

次に、売上収益全体の30%を占めたコンテンツ事業を見ると、売上高は前年比18.3%減、前四半期比5.4%減の108億円で減収となった。「ディズニーツムツム」「ポコポコ」「ブラウンファーム」をはじめとした既存カジュアルタイトルは順調、第3四半期にリリースした有名IPを使ったミッドコアタイトルは好調にスタートしたが、ミッドコアゲームの「LINEレンジャー」がリリースから2年半が経過し、成熟期を過ぎたことで減速傾向だった。

LINE POP新作「LINE POPショコラ」に期待

決算説明会の質疑応答の中で、出澤氏は、第3四半期で合計8タイトルをリリースしたことを述べた上で、

今後のパイプラインには20タイトルほどが入っている状況です。

4Qの予定では、我々の主力タイトル「LINE POP」の後継タイトルを、4Qにリリースする予定です。カジュアルとLINEのゲームの組み合わせは非常に強いものがあるので、非常に力を入れている状況です。

と語っている。

実際、10月28日よりリリースした「LINE POPショコラ」は、事前登録数100万人超えの期待もあり、リリース後初めて迎えた週末ではApp Store/Google Playともダウンロードランキングの上位にランクインしている。

* 参考記事3:**事前登録100万超!ファン待望の最新作「LINE POPショコラ」初速好調…App Store2位、Google Play6位**

コミュニケーションは、クリエイター向け施策の導入でテコ入れ

次に、売上収益全体の20%を占めたコミュニケーション事業は、公式スタンプの売上が減収したことで、売上高73億円(前年同期比7.1%減・前四半期比1.7%減)という結果になった。これについて、出澤氏は、

まず公式スタンプでは「ポップアップスタンプ」という非常に派手なスタンプを投入し、そこに期待をかけていた部分もあったが、実際は期待どおりいかなかったというところがあります。現時点では、機能的なある程度の制限やユーザービリティの問題があり、そこの改善をして対策を打ったというところです。

クリエイターズスタンプに関しては、非常に順調に拡大はしてきたが、最近新しいスタンプの作品が少なくなってきたという問題がありました。

その中、クリエイターズスタンプの審査の簡素化や、1回あたりの出稿スタンプ数を減らすなど、クリエイターのスタンプ作成を後押しするような取り組みを進めたことで、スタンプの登録数がまた上がってきているので、今後は売上にもよい影響をもらたすと考えています。

と語っている。

「LINE FRIENDS」「LINEモバイル」が順調

その他事業の売上高は、前年同期比147.1%増・前四半期比38.2%増の34億円。特に、「LINE FRIENDS」では、店舗数をが四半期から6店舗増え、売上高が前年同期比155.7%増・前四半期比37.7%増となった。

また「LINEモバイル」は、サービスローンチから約1ヵ月半が経ち、順調な立ち上がりを見せている、という。

* 参考記事4:**MVNO事業「LINEモバイル」本格販売を開始…10代・40代はLINEフリープラン、20~30代はコミュニケーションフリープランが好調**
* 参考記事5:**LINEモバイル、「LINE」「Twitter」「Facebook」に加えて「Instagram」も使い放題に!**

タイムラインMAU1億4,000万人、「LINE NEWS」MAU4,600万人を突破

続いて、スマートポータルの進捗状況を見よう。

まず、タイムラインは、主要4ヵ国における1億6,200万人のMAUのうち、タイムラインMAUが1億4,000万人となり、日本以外でもアクティブに利用されている。これは、ハッシュタグ・レコメンドポスト・リッチコンテンツのアップロード簡易化などユーザーの利便性を高める施策を通じてタイムライン上でのユーザーエンゲージメントを高めている、という。

一方、「LINE NEWS」のMAUは、日本ではコンテンツ拡充によって4,600万人まで拡大した。また、台湾・タイ・インドネシアで提供中の「LINE Today」も、順調にユーザー数を拡大し、各国でMAU・MPVでナンバーワンのニュースサイトにまで成長している。

「LINE LIVE」は、MAU1,900万人超え

次に、「LINE LIVE」では、8月より、一般ユーザーにもライブ配信機能を解放し、LINE IDがあれば誰でもライブ配信ができるようになったことで、配信されるコンテンツの拡充し、9月末時点でMAU1,900万人を突破した。一方、タイで提供中の「LINE TV」のMAUは1,500万人となった。

* 参考記事6:**「LINE LIVE」が月間利用者数1,900万、週間利用者数620万を突破!女性・24歳以下の若年層に人気**

チャットボット・AIで企業と消費者の対話型コミュニケーションを促進

続いて、新たな取り組みを見よう。

これまで、LINEでは、メッセンジャーとしての特性を活かし、公式アカウントや「LINE@」など、ユーザーとブランド・サービス・企業をつなげてきたが、今後は、チャットボットやAIの導入で、企業と消費者間における会話型コミュニケーションを可能にし、両者のつながりをより深めていく。これにより、ユーザーにとっての利便性を高め、企業にとっては、ライフタイムバリューの向上、および費用削減など、様々なメリットをもたらすことで、パートナー企業を増やしていきたい考えだ。

株式取得・業務提携でスマートポータル戦略を加速化

最後に、先日株式取得が発表されたばかりのSNOWや「出前館」を運営する夢の街創造委員会、ワークスモバイルジャパンとの事業提携による法人コミュニケーション市場の参入、米ベンチャーキャピタルDAG VENTURES及び仏ベンチャーキャピタルKorelya Capitalへの出資によって、スマートポータル戦略を進めることを明かした。

* 参考記事7:**【速報】LINE、自撮りアプリ「SNOW」社と株式割当契約を締結…10月中に払い込み、約46億円で株式取得**
* 参考記事8:**LINE、宅配ポータルサイト「出前館」を約40億円で株式取得へ**
* 参考記事9:**宅配ポータルサイト「出前館」夢の街創造委員会、取締役・監査役候補者を選任…LINE取締役CSMOの舛田氏らを新たに選任**
* 参考記事10:**LINE、17年春に法人向けコミュニケーションツールを開始予定…ワークスモバイルと事業提携**
* 参考記事11:**LINE、アメリカVC「DAG Ventures」とフランスVC「Korelya Capital」へ出資**

SNOWは日中韓で伸長、「出前館」と共にデリバー市場に本格参入

決算説明会の質疑応答の中で、SNOWについて、LINEのCFO黄仁埈氏は、

SNOWは、現段階で累計8,000万ダウンロードです。MAUは開示していませんが、数字として伸びおり、日本・韓国・中国の3ヵ国において同等ペースで伸びています。今後は東南アジアでも拡大が期待できると見ています。

と述べている一方、夢の街創造委員会について、LINEのCSMO舛田淳氏は、

まだ日本では紙のチラシが主流のデリバリー市場において、今回、夢の街創造委員会と協力することによって、LINEが本格的に参入していくということを目的としております。

サービスのかたちとしては「LINEバイト」のように、LINE上に新たなデリバリーのサービスを作っていくということを考えております。今からいろいろな計画を詰めていくところで、来年そういったかたちのビジネス展開を計画しています。

と説明した。

まとめ

コミュニケーションやゲームアプリをはじめとしたコンテンツサービスを中心に、市場に様々なサービスを提供してきたLINEだが、今期においてそれらの売上は減収傾向となった。一方で、広告事業が好調で収益に大きく貢献し、四半期ベースで増収という結果だった。

2016年通期の売上高は前年同期比で増収の見込みだ。

直近では、SNOW、夢の街創造委員会などの株式取得、ワークスモバイルジャパンとの事業提携を発表するなど、新たな取り組みとして積極的な動きを見せており、今後の事業領域の拡大に期待がかかる。

また、10月28日にリリースしたばかりのLINE POP新作「LINE POPショコラ」が好調なスタートを見せている。今後さらなる新作ゲームのリリースも控えており、今後の展開が非常に楽しみだ。