【福岡ベンチャー特集】西鉄・政策金融公庫・StartupGoGoの協業が生み出す、「福岡」から世界へ挑む次世代のベンチャー起業家

福岡の商業の中心地、天神。そのど真ん中にあるコワーキングスペースが「天神COLOR」である。西鉄(西日本鉄道)・政策金融公庫・創業支援団体StartupGoGoの協働により、2015年6月にオープン。

人口減少時代に突入し、多くの地方自治体が人口減・過疎化を切実に叫ばれる中、福岡市は人口を増加し続けている。2015年の国勢調査では、政令指定都市の中で、人口増加数、人口増加率ともに、東京23区を抑えてダントツの首位に立った。

人口を押し上げているのは、15〜24歳の若年層で、若者率は19.5%と政令指定都市の中でもトップだ。2035年まで、人口増加を続けると予測されるほどに、日本の現状とは逆を突き進んでいる。

なぜ福岡市が好調なのか。進学や就職を機に、近隣都市から流入してくるのはもちろん、地元ゲーム開発会社レベルファイブや、昨年上場した自治体支援のホープをはじめとした企業が福岡市にベースを置いていることも福岡市への移住を後押ししているとみられる。

もともと商業の街としてサービス業が盛んである上に、2014年には「福岡市グローバル創業・雇用創出特区」として国家戦略特区特別地域に選定されて以来、ベンチャー企業が福岡に集まるようになった。

福岡の商業の中心地、天神。そのど真ん中にあるコワーキングスペースが「天神COLOR」である。西鉄(西日本鉄道)・政策金融公庫・創業支援団体StartupGoGoの協働により、2015年6月にオープン。オフィスの場所の提供だけでなく、起業家の育成や事業成長の支援、資金の提供など、起業家が創業した後に直面する様々な経営課題を共に解決する場を提供することで、創業期から拡大期までの成長を支援するために生まれた。

同じ空間にベンチャー企業が集まることで、ベンチャーコミュニティが形成される利点もある。天神COLORでは、コミュニティマネージャーが常駐し、入居者の交流を促進すると共に、先輩起業家、投資家、税務・会計の専門家などを招いてイベントを開催することで、起業家やベンチャー企業のネットワークづくりを支援している。

創業期のベンチャー企業にとっては、個人でオフィスを構える負担を軽減できる。一方、西鉄にとってはベンチャー企業の事業が軌道に乗れば、同社が所有する他のビルへと移転すること、政策金融公庫にとってはベンチャー企業への融資、StartupGoGoにとっては福岡におけるベンチャーコミュニティの構築支援、が期待できる。

昨年12月には、西鉄とStartupGoGoが共同でオープンイノベーションプログラム「西鉄Co+Lab(にしてつこらぼ)」を開始した。

もともと西鉄とStartupGoGoは、西鉄グループへの事業提案の場として、西鉄オープンイノベーションコンテストを2015年より開催ビジネスプランコンテストを開催。実際、昨年開催した第1回目では、計56社の中から最終的に11社が選ばれ、そのうち3社が西鉄との協業に繋がった。

そこで、この取り組みをより本格化するためにはじまったのが「西鉄Co+Lab」だ。「西鉄Co+Lab」はコンテスト形式ではなく、西鉄のリソースを使ってアイデアを事業化することを明確化することで、ベンチャー企業と西鉄との協業を促す狙いがある。

**西鉄にとっても、ベンチャー企業にとっても、お互いの事業に繋がり、永続的な関係性を構築できるようにしていきたい。オープンイノベーションの一環として始めた取り組みではあるが、福岡の地域活性化にもベンチャーエコシステム構築にも役立てると思っている。ベンチャー企業と一緒にコラボレーションすることで、普段、我々が気づかなかったような課題、リソースの生かし方を教えてもらったり、想像もつかないようなアイデアを提案してもらったりと大変刺激を受けている。**

「西鉄Co+Lab」では、応募企業の中から最終選考を通過した最大3社と、実証実験など事業化に向けた取り組みを実施する。選考過程では、西鉄の社員が応募企業側に参加し、最終の役員プレゼンに向けて、ベンチャー企業と一緒に事業をブラッシュアップしていく。これにより、福岡・天神を共同研究の拠点として、新たなビジネスを「福岡から世界へ」生み出していきたい考えだ。