【大阪ベンチャー特集】食事で寄付を変える、社会貢献型ソーシャルダイニング『Gochiso』食の都「関西」から全国へ

「美味しいは世界を変える。」を合言葉に、レストランとNPOを繋ぎ社会貢献を生み出すことができる、社会貢献型ソーシャルダイニングサービス『Gochiso』を開発する、Gochiso社。昨年12月には、サンブリッジグローバルベンチャーズ (SBGV)が運営する梅田スタートアップファンド1号投資事業有限責任組合から1000万円の資金調達を実施している。

ベンチャー業界に関心を持つ読者なら「ファンドレイジング」という言葉を一度は聞いたことがあるだろう。ファンドレイジングとは、本来、資金調達という意味合いが強いことから、あらゆる主体による、あらゆる資金の獲得、開拓を含む。

NPOにとってファンドレイジングは、とりわけ重要な役割を担う。NPOは、活動の一部を販売収入や会費、補助金などでまかなえることも多いが、それだけでは全ての費用を、到底まかなうことはできない。そのため、直接的な対価をともわない寄付や会費などを、個人や企業から獲得する必要がある。

日本の寄付市場は、欧米に比べてまだ小さいが、今後拡大することが期待される。2014年における、個人の寄付総額は名目GDPの0.2%に相当する7409億円、実質的に寄付としての性質もある会費総額は3129億円、と推計される。「団体や人との関係性」「団体への共感」「社会貢献意識」といったモチベーションから寄付するケースが多く、年齢別では、20代は全体の2割程度、70代では6割以上が寄付しており、年齢と共に寄付者率も上昇している。

実際、東日本大震災以降、NPO向けのサービスが登場している。成長が期待される日本の寄付市場において、多くのNPOが、モバイル寄付、ソーシャルメディアを活用した寄付、クラウドファンディングを活用した寄付など、寄付の手段や形態は多様化している。

こうした背景を踏まえて、ファンドレイジングも、大型寄付者の開拓よりも、多数の小口寄付者に効率的にアプローチし、寄付額を増やそうという方向にシフトしつつある。

その一方で、「どうやって寄付すればいいかわからない」「寄付するお金を持っていない」「寄付した結果のイメージがわからない」といった、寄付に対する行動的ハードルと心理的ハードルが高いのも事実だ。

そこで、寄付における入口のハードルを下げることにこだわり、レストランとNPOを繋いで社会貢献を生み出すのが「Gochiso」である。

Gochiso社は、日本語の「ご馳走」「ご馳走さま」に由来する。ご馳走とは、本来、走り回ること、奔走することを意味する。料理を食卓に並べてお客様をもてなすためには、まず食材を買い集めるために山々や農地を走り回り、その食材を調理するために走り回るなど、たくさんの人々が駆け巡ることで、初めて食事が届けられる。「ご馳走」はそんな彼らの努力に対し、「Give Thanks」感謝の気持ちを表明したものである。

Gochisoは、他への思いやりや感謝の気持ちを広げたいと考えている。食事を通じて、ユーザーは社会をより良い場所にするために活動している組織への感謝の気持ちを届けると同時にサポートすることができる。 ユーザーをこれらの組織と繋げることで、彼らが志す世界の変化の一員になってもらうことをGochisoは目指している。

同社では「美味しいは世界を変える。」を合言葉に、レストランとNPOを繋ぎ社会貢献を生み出すことができる、社会貢献型ソーシャルダイニングサービス『Gochiso』を開発している。

利用者は、Gochisoに登録される飲食店を複数人のグループで予約して食事し、通常の料金を支払うだけで、飲食代の15%〜35%を、自分が共感するNPOへ寄付できる。

一方、飲食店は、従来のクーポン配布型の集客とは異なり、NPOへ寄付するという新たな価値を提供することで、価格重視の顧客から目的重視の顧客を受け入れられるようになり、新たな顧客層を開拓できる。また、飲食店側が主導して利用時間と寄付率を設定できるため、顧客が少ない時間帯を稼働できるようになり、利益を出しながら社会貢献を実現できるようになる。

つまり、Gochisoを使えば、誰しもが日常で行う「食事」という行動だけで、「社会貢献」を意識せずとも、消費者と店舗側がNPOヘ「寄付」できるようになるのだ。

2016年11月に設立された、大阪のベンチャー企業Gochiso社。同年12月には、サンブリッジグローバルベンチャーズ (SBGV)が運営する梅田スタートアップファンド1号投資事業有限責任組合から1000万円の資金調達を実施した。

梅田スタートアップファンドは、関西に事業拠点を持つ創業間もない「シードステージのスタートアップ(成長志向の新興企業)」に特化したファンド。阪急電鉄がメインの出資者でもあることから、今後、Gochiso社とは阪急電鉄グループ各社との事業シナジーが期待される。