「O2Oを使った総合マーケティング会社へ」時代の寵児・SnSnap西垣社長が初めて語る、起業から独立系PEファンドへの参画まで

昨年11月に独立系PEファンドであるニューホライズンキャピタルへ株式譲渡したSnSnap。そのSnSnapが、新サービス「#SwingSnap」を発表した。Pedia Newsでは、SnSnap 共同創業者兼代表取締役 CEO 西垣雄太氏にインタビューを実施し、起業から独立系PEファンドへの参画までの経緯、そして今後の展望などを伺った。

インフルエンサーを起用したマーケティング施策である「インフルエンサーマーケティング」。企業は、インフルエンサーを通じて、リアルとデジタルの情報を融合させ、ターゲットとなる消費者層に的を絞った露出ができる。これはテレビや新聞広告などのマスメディア広告とは異なる効果を得られる。今では、ファッション、エンターテイメント、フィットネス、グルメ、スポーツなど、ありとあらゆる市場でインフルエンサーマーケティングが利用されている。

大手ブランドとインフルエンサーのコラボレーションが増加していく中で、ブランドからの一方通行なメッセージだけではなく、消費者に寄り添ったメッセージ、そして、リアルな体験をデジタルな情報に加えていくことが必要となる。その第一人者とも言えるのが「SnSnap」である。

SnSnapは、昨年11月に独立系PEファンドであるニューホライズンキャピタルへ株式譲渡を発表した。20代の若手起業家が設立からわずか1年半で独立系PEファンドへイグジットするのは非常にめずらしいだろう。

* 参考記事:**SnSnap代表 西垣氏「マーケティング領域でのサービス拡充を目指す」急成長中のO2OマーケティングSnSnapが独立系PEファンドへ株式譲渡**

また、本日(2月1日)には新サービス「#SwingSnap」を発表したばかり。「#SwingSnap」とは、被写体を複数のカメラで同時撮影後、瞬時に撮影データを合成し、瞬間を切り取っ た 3D 動画を作成できるマルチカメラサービス。

#SwingSnapでは、独⾃で開発したマルチカメラ(撮影機器)で同時撮影を⾏う。複数アン グルで撮影したデータを、被写体の1点を軸に回転するような設定で、瞬時に合成し、その瞬間を切り取った3D動画を作成できる。また、動画作成時間はわずか30秒〜1分と非常に短時間な点も魅力で、同じ場所に⽤意されたタブレットで撮影後すぐに動画を確認できる。さらに、作成された動画をタブレットから⼊⼒したメ ールアドレスにも送付できるため、イベントの楽しい思い出として残すこともできる。なお、2月4日に開催される外資系ブランドのイベントで初披露されるという。

Pedia Newsでは、SnSnap 共同創業者兼代表取締役 CEO 西垣雄太氏にインタビューを実施し、起業から独立系PEファンドへの参画までの経緯、そして今後の展望などを伺った。

SnSnapは、もともと2015年5月にドーグスという名前で創業されたが、ドラフトリリースしたSNSフォトプリントサービス「#SnSnap」が好評価を受けたことで2016年1月に社名変更された会社。ここで、日本における当時のベンチャーシーンを振り返ってみよう。総務省は、スマートフォンを保有する個人の割合が初めて5割を超過したことを発表した。特に、年代別では、スマートフォンでのインターネット利用率が、20代で9割を超えた。これを受けて、スマートフォンの次に来るものとして「IoT(Internet of Things、モノのインターネット)」が注目されていた。一方、海外では、北米を中心に、Facebook、Twitterの次なるSNSとして「Instagram(インスタグラム)」が盛り上がりを見せていた。

**僕らは、創業以来、「リアルな体験を大切にし、長く愛され続けるデジタルコンテンツをつくる」という企業理念のもと、「デジタルとリアルで新しい体験を創出」と「新しいマーケティングを創造」することを組み合わせて、何かユーザーの体験をより良くするものを作るために集まりました。**

**起業当初、CTOの平沼(SnSnap 共同創業者兼最高技術責任者 CTO 平沼真吾氏)と2人だったのですが、今はインターンやアルバイトも含めて35名になりました。平沼とは、伊藤園のハッカソン「第2回茶ッカソン」で知り合いました。僕自身、アイデアやビズデブは考えられますが、エンジニアではなかったので、起業する前にいろんなハッカソンに参加してエンジニアを探していました。茶ッカソンの時に強敵のチームにいたのが平沼で、「この人と一緒に作りたい」と思って、打上げの時に口説きました(笑)家も近所だったので土日に一緒にブレストしたりして仲良くなりました。**

**その後、平沼と一緒に、PayPalとBraintree主催のハッカソンイベント「BattleHack」で作ったのが「#SnSnap」の原形である「#SnShot」でした。当時、日本は今みたいにInstagramが流行していなかったのですが、海外に住んでいたこともあったので、海外の友人も多くて、彼らからInstagramが流行っているのを聞いていたんですよね。また、僕自身、起業する前に、創業期のスペースマーケットで起業のイロハを教えていただいてから起業しています。スペースマーケットの時に、いろんなイベントの運営をお手伝いしたり参加したりしてみて、「ハッシュタグを付けてTwitterでつぶやいてください」「SNSにイベントの写真をあげてください」と運営者の方々がおっしゃっている姿を現場で見ていました。そこで、イベント運営者やブランドにとっては、リアルの体験を通じたビジュアルをインターネットにあげたいという想いがあるものの、イベント参加者には、何もインセンティブがない上にどんな写真をあげたらいいのかわからなくて難しい状況にあると感じました。それなら、プリクラみたいな感覚で、撮った写真がその場で専用端末から印刷されてもらえたり、印刷された写真の裏柄にはクーポンが付いていたりすれば、SNSへの投稿を促進できるのではないかと考えました。デジタルのクーポンよりも、その場でリアルの体験を通じて得たアナログのクーポンの方が、保有・利用率も向上する上に、ユーザーに新しい体験を提供できるのではないかと思いました。**

**「#SnSnap」は、開発している時から売れる自信はあったのですが、リリース2ヶ月目から黒字化したんですよね。リリース当初は、テック系のイベントやブライダルなどでの利用を想定していましたが、リーチの良さが叶って、アパレル、ファッション、ビューティー、一般消費財、自動車などからたくさんお問い合わせをいただくようになって、マーケティングやブランディングを強化してきました。ただ、今思えば、僕らが二番煎じだったら、こんなに影響力もブランド力もマーケティング力も発揮できなかったと思うんですよね。これまでにない商品で、時代の流れにも乗っていたので、支持いただける商品をを作れたんだと考えています。**(SnSnap 共同創業者兼代表取締役 CEO 西垣雄太氏)

「#SnSnap」を利用すれば、店舗への来店者やイベントの来場者が会場での模様をスマートフォンで撮影し、指定の#(ハッシュタグ)をつけてSNS(facebook、twitter、Instagram、Google+)へ投稿すると、設置された機械によりオリジナルデザインのカードやステッカーに写真をプリントし記念として持ち帰ることができる。これまでに、累計400以上のイベント会場で利用されており、その内訳は**「アパレル、ビューティー系や季節に合わせたシーズンイベントでの利用が多い」「全体の6〜7割が直販、残りが大手代理店経由」**(西垣氏)という。

さらに、SnSnapでは、主力のSNSフォトプリントサービス「#SnSnap」、オリジナル写真・動画を撮影できる「#MirrorSnap(ミラースナップ)」、広告サービス「#REALAD(リアラド)」など、企業の商品企画からブランディングまでをトータルサポートする。西垣氏によれば、「#SnSnap」のクライアントからの要望でサービスラインナップを増やしてきたそうだ。

時代を体現し時代の寵児とも言える西垣氏が率いるSnSnap。さらなる成長が見込まれる中、SnSnapは、独立系PEファンドであるニューホライズンキャピタルへ株式譲渡したことを発表した。今回の経緯と今後の展望について、西垣氏は次のように説明してくれた。

**2016年春頃から資金調達、融資、M&Aも含めて、VCや事業会社、銀行などとコンタクトを取り始めました。その中で、僕らの会計事務所の方にご紹介いただいて、ニューホライズンキャピタルさんと出会いました。ニューホライズンキャピタル代表の安東さんは数字に強い方で、成長曲線を考えながら新しいものに積極的に取り組んでいる方です。ニューホライズンキャピタルさんから「これまで老舗企業との取り組みがほとんどで、若いベンチャーとの取り組みはほぼ初めてだが、一緒に成長させていこう」とおっしゃっていただいたのが決め手となりました。**

**また、これから僕らのサービスをマスに広めていく際に、安東さんやニューホライズンキャピタルの既存の繋がりを活かすことができてお互いにシナジーがあると思いました。「#SnSnap」のコンテンツは、首都圏から少しずつ地方でも拡散され始めています。中には、首都圏よりも地方の方が反応が良いものもあります。これからは首都圏だけでなく、地方でも新しい体験を提供し続けて、マスに浸透させていきたいと思っています。**

**今、僕らは毎日すごい膨大な情報量に接していますよね。昨今のメディアの流れを受けて、コンテンツが見直されて質の高いリッチコンテンツの重要性が高まっていると思います。誰でもクリエイターになって世界に情報発信できて、そこに広告予算がついている。それはすごい可能性を秘めていると思うんです。実際、テレビや雑誌などマスメディアの広告予算が低下していっているのを見ていると、情報との接し方がテレビからスマホへ変わったことで、広告業界も大きな変化が起きています。**

**クライアント、特にブランドは常に新しいものを探し求めています。僕らは、ソーシャルメディアにおける個人の発信力が高まって来た時代の流れを受けて成長してきた会社です。アイデアと技術を振り絞って、これからも、O2Oを使った総合マーケティング会社として、新しい体験を提供していきます。今期は、既存のSNSフォトプリントサービスの全国展開に向けて、ブライダル、スポーツ施設など新たな市場を開拓予定です。また、商業施設のサイネージなど、今の領域を超えてデジタルを駆使したインスタレーション制作にも挑戦していきたいと思います。**(SnSnap 共同創業者兼代表取締役 CEO 西垣雄太氏)