「人材紹介」を変える、ソーシャルヘッドハンティング「SCOUTER」が総額1.5億円を資金調達 オンラインからオフライン、首都圏から地方、そして医療現場まで「未来の雇用」を作る

誰かが変えるのを待つのではなく自らの力で未来を変えるーーー人事を尽くし天命を変えるために人類総人事計画を進める、SCOUTER。本日、シリーズAラウンドで、ANRIをリード投資家に迎え入れ、SMBCベンチャーキャピタル、ベクトル、スカイランドベンチャーズ、エンジェル投資家の佐藤裕介氏と他エンジェル投資家2名から、総額1億5000万円の資金調達を実施した。

リーマンショック以降、厳しい雇用環境が続く中、雇用の創出や失業の解消など雇用に関する多くの課題に直面している。

人材サービス産業の中でも「人材紹介業市場」の拡大が著しい。矢野経済研究所が昨年11月に発表した調査によれば、人材紹介業市場は6年連続で拡大を続けており、2016年度も高水準で継続していることから前年度比109.5%の2300億円と、引き続き拡大すると予測されている。

総務省が2月に発表した2016年度の労働力調査では、転職者数が306万人となり、2009年以来の高い水準で、リーマンショック前のピークに向けて着実な回復の兆しが見られる。さらに、3月に発表した2017年1月の有効求人倍率は1.43倍と、バブル経済の1991年7月以来の高水準で高止まりだ。完全失業率も3.0%に低下しており、働く意思のある人なら誰でも職に就ける「完全雇用」状態にある。

転職者が仕事を見つける方法、いわゆる入職経路は、ハローワーク、人材サービス産業、縁故が三大経路となっている。特に、ハローワークと人材サービス産業だけで過半数を超える。ハローワークには失業者や地方在住者、人材サービス産業には年齢が若い層や正社員以外、縁故には年齢が高い層が多い等の特徴がある。

転職者の中には、今すぐ転職したいと考える「転職顕在層」と、そうではない「転職潜在層」が2:8の割合で存在していると言われており、転職市場にはほとんど現れない転職潜在層にいる優秀な人材にアプローチする方法が求められている。

その一方で、転職市場では企業側と転職者側との間で「ミスマッチ」が多いのも事実である。職種ごとの異なる需要と供給を持つため、必ずしも企業側が求めている人材と転職者側が一致するとは限らないのだ。

**エージェントの価値が変わってきているんです。学生向けに人材紹介領域で会社を立ち上げてみてわかったんですよね。これまでは求人情報にアクセスすることができなかったので、エージェントに自分に合った情報をキュレーションしてもらう必要がありました。しかし、今では自分で調べることができますよね。そうすると残っているのは、転職を後押ししてもらうための相談ニーズだと思うんです。**

そう語るのは、日本初のソーシャルヘッドハンティングサービス『SCOUTER](https://service.scouter.co.jp/)}』を手がける[株式会社SCOUTERの代表取締役社長、中嶋汰朗氏である。2013年11月、青山学院大学在学中に、起業家育成講座でイー・アクセスを立ち上げた千本倖生氏と出会ったことを契機に、同級生ら2人と共に創業。当初は就活生向けに人材紹介事業を行い、年間500名の就職支援、100社の採用支援を実施した。その後、人材紹介事業を本格化するために、ソーシャルヘッドハンティングサービス『SCOUTER』を2016年3月に発表した。

SCOUTERは、同社独自の審査をクリアしたユーザーのみが、キャリアアドバイザー「スカウター」として身の回りの友人や知人の転職を支援、スカウターにのみ限定公開される求人情報を共有し、その方の推薦文を書くことで、転職決定時に年収の一部を祝い金として受け取ることができるサービス。「求人ありき」ではなく「ユーザーファースト」であるからこそ、転職者をよく知る身近な知人がスカウターとなって、最適な求人情報を提案できるのが魅力だ。

通常、人材紹介を行うには有料職業紹介事業者として許認可を取る必要がある。そこでSCOUTERでは、各スカウターと雇用契約を結ぶことで、副業として人材紹介ができる仕組みとなっている。スカウターとして採用されると、その活動に応じた時給と転職決定時に成功報酬として転職後の年収の5%が祝い金としてもらえる。この祝い金は、スカウターだけでなく、転職者にも同額を支払われる。一方、企業側には成功報酬としてて転職後の年収の25〜30%が支払われる。

これまでに、スカウターへの応募は5500件以上、その中から実際にスカウターとして採用されたのは2200名に及ぶ。スカウターの多くは男性で、20代〜30代が全体の8割を占める。当初はITリテラシーの高いIT業界関係者がほとんどだったが、現在はIT業界が全体の4割、サービス業界が2割、広告・メディア業界が1割となっている。また、累計掲載求人数は3500件以上、累計契約企業社数は1000社を超える。

**自分たちから営業も行っていますが、企業からの問い合わせをいただくことも増えています。最近では、スカウター経由で企業を紹介してもらうことが多くなっていて、ユーザーと一緒にサービスを作っているフェーズです。**

最近ではスカウター同士の情報共有やコミュニティづくりにも精力的に取り組んでいる。スカウターの中には、以前にエージェントとして働いたことがある人もいれば、人事や営業、広報など比較的人に会うことが主体の仕事をしている人もいれば、経営企画やエンジニアの人もいる。そこで、スカウターの中でも人材紹介に精通する人を講師として招き、スカウター同士のノウハウを情報共有するための場としてオフラインイベント『SCOUTER Academy』を開催している。2月に初めて開催した同イベントは、当初の想定を大きく上回る人数が参加しており、今月4月からは月4回の頻度で開催していく予定だという。

**人材紹介はオンラインだけでは完結しません。スカウターの多くが、お金を稼ぐために副業として行なっているというよりも、身近にいる困っている人を助けたいという思いで参加してくれています。今後はオフラインのコミュニティ作りにも取り組み、プラットフォームとして成長していきたいと思います。**

誰かが変えるのを待つのではなく自らの力で未来を変えるーーー人事を尽くし天命を変えるために人類総人事計画を進める、SCOUTER。本日、シリーズAラウンドで、ANRIをリード投資家に迎え入れ、SMBCベンチャーキャピタル、ベクトル、スカイランドベンチャーズ、エンジェル投資家の佐藤裕介氏と他エンジェル投資家2名から、総額1億5000万円の資金調達を実施した。

同社にとっては、2016年1月の資金調達、2016年9月のクルーズ、East Ventures、三菱UFJキャピタルからの総額6100万円の資金調達に続くものだ。

* 参考記事:日本初ソーシャルヘッドハンティング「SCOUTER」、プレシリーズAでクルーズなどから総額約6,100万円を資金調達

**僕らは、現地の拠点がなくても全国各地にいるスカウターとサービスを作っていくことで、首都圏にいながら地方も開拓できます。地方は、行政も含めて雇用の創出に取り組んでいますが、SCOUTERを利用する転職者の15%は地方で転職することも視野に入れています。地方でも首都圏と変わらない雇用環境を作ることができれば、地方の雇用も広げていくことができると考えています。**

**今後は、今春に企業からの直接オファーもできるような仕組みを提供し、夏には転職者が自分に最適なスカウターを見つけて転職相談できる『SCOUTER PRO』をリリースしていく予定です。これにより、転職者の考えるキャリアに近しい仕事を、スカウターからも企業からも、より一層ご提案できるようになると考えています。実際、スカウターの方にヒアリングしてみると、友人や知人以外にも転職の相談に乗りたいと考えている人が多いですし、転職者にも自分が考えるキャリアに近しい人にも相談に乗ってもらいたいと考える人が多かったんです。まずは、僕らがスカウターの中から厳選した100名のスカウターから、自分に合ったスカウターを転職者に選んでもらって、その中で自分に合った仕事を見つけてもらいたいと思っています。**

**さらに年内にはSCOUTERで培ってきた経験を活かし、医療人材紹介分野にも新規参入し、医療人材紹介サービス『SCOUTER MEDICAL』を提供する予定です。医療人材は人材不足と言われていますが、現在医療免許を持つ方々の復職率の低さがひとつの要因にもなっています。僕らのサービスを使えば、医療現場にいながらも医師、看護師、薬剤師に復職したい人たちを支援できるし、現場を離れた人でも医療現場を支えることができます。**

**これからどんなにテクノロジーが発達しても、人間の意思決定に関わる部分は人間の力が必要になると思うんです。AIが普及しても、最後の意思決定を後押ししてくれるのは、身近にいる友人や知人のはずです。もともと僕はロックミュージシャンを目指していたこともあり、ローリングストーンズのように50年経っても変わらずに残るビジネスをスタートアップでやっていきたいです。だからこそ、このアップデートが遅れている人材紹介業界で、何年経っても変わらないニーズに応えていきたいと思っています。そのために、エージェントの見える化、そして人材紹介のオープン化を進め、人材紹介業界でブラックボックスになっていた部分の風穴をあけていきます。**(中嶋氏)