「リクルートがスタートアップと伴走する」TECH LAB PAAKとRecruit Venturesから『MEET SPAAC』が誕生…岩本氏が語る「リクルートならではのオープンイノベーション」

リクルートホールディングスは、自社初となるスタートアップと協働した、新規事業開発プログラム『MEET SPAAC』を開始した。Pedia Newsでは、株式会社リクルートホールディングスMedia Technology Lab. TECK LAB PAAK 岩本亜弓氏にインタビューを実施し、リクルートが自社初となるスタートアップ企業と協働した新規事業開発プログラム『MEET SPAAC』をはじめるに至った経緯や今後の展望を伺った。

グローバル化や市場の成熟化、IT化にプロダクトのコモディティ化と行った世界的な流れの中で、消費者のニーズは多様化し、製品のライフサイクルは短くなっており、日本企業を取り巻く環境は競争が激化する一方である。こうした中、新たな顧客の価値を生み出すイノベーションの重要性が高まっている。

日本企業の研究開発費の対GDP比率をみると、足元では韓国に首位の座を奪われているが、世界でもトップシェアの水準であり、競争力の源泉となっている。しかし、各社で様々な研究開発が進められているが、企業の研究開発費の大部分は既存技術の改良をはじめとした短期的な研究開発にあてられており、将来の成長の糧となるような長期的な研究開発への投資は低い。特に、リーマンショック後、日本では他国以上に研究開発費が大幅に低下し、ピーク時の水準を下回ることはもちろん、回復しない産業もみられる。さらに、研究人材の流動性が極めて低く、組織を超えた人材の活躍も求められる。いまでは、イノベーションの創造を自社のリソースだけで行うことはもはや不可能といえるだろう。

一方、スタートアップのイグジット実績を見ると、日本のスタートアップは米国と比べてM&Aを行う割合が非常に少ない。また、企業や大学との連携においても、まだまだ不十分である。企業とスタートアップのリソースが互いに最適な形で融合すれば、そこには新しいインベーションが芽吹くかもしれない。

リクルートホールディングスは、自社初となるスタートアップと協働した、新規事業開発プログラム『MEET SPAAC』を開始した。

Pedia Newsでは、株式会社リクルートホールディングスMedia Technology Lab. TECK LAB PAAK 岩本亜弓氏にインタビューを実施し、リクルートが自社初となるスタートアップ企業と協働した新規事業開発プログラム『MEET SPAAC』をはじめるに至った経緯や今後の展望を伺った。

リクルートでは、1982年より、新規事業コンテスト『NewRING』を運営していたが、2014年には、現在の『Recruit Ventures』へと大幅リニューアル。これまで『ゼクシィ』『ホットペッパー』『R25』『スタディサプリ』などの数多くの事業を生み出してきた。

Recruit Venturesは、10年後の事業の柱になりうる新規事業を生み出すことを目標に掲げる。明確なKPIと撤退ラインを設けた”ステージゲート方式”による事業開発マネジメント体制を整えることで、マネタイズ要素とグロース要素を含めて事業化に向けたバックアップする。これにより、Recruit Venturesを通じて事業化されたサービスは、その後、事業育成機関『Media Technology Lab.』で事業成長を図りながら、最終的にはグループ会社への経営移管や分社化といったEXIT(育成機関からの卒業)を目指す。

Recruit Venturesから新しい価値を提供する事業が生まれていく中、リクルートのオープンイノベーションとして『社内外問わず、既存のモノと既存のモノを融合することで、これまで想像もできなかったようなイノベーションが生まれ、社会問題を解決できる』という考えが浸透していった。そこで生まれたのが、会員制コミュニティスペース『TECH LAB PAAK』である。岩本氏によれば、 2006年から同社が運営する日本最大級の開発コンテスト「Mashup Awards」と共に、テクノロジーをベースとした社会課題の解決に取り組むスタートアップや研究者、イノベーターの活動を支援しているという。

TECH LAB PAAKは、2014年11月より、エンジニアや起業家、イノベーターなどITクリエイターにとって最適な環境を完備し、勉強会・イベントなど学びの機会を提供する。これにより、現状の枠組を超えた、まだここにない”イノベーション”の創出を支援する。具体的には、審査を経てPAAK会員になると、会員同志の交流会、海外ゲストを招いた講演会や勉強会、メンタリングを受けることができる。もちろん、施設利用料、Wi-Fi、全席電源完備、ドリンク・スナックなど、すべて無料で提供されるので、志を共にする新しい仲間に出会えるほか、自分の作りたいものにとことん没頭することができる。

PAAK会員は20代後半から30代前半までが最も多く、シード期に満たないチームや起業前のチームなどフェーズもさまざまである。これまでに、第6期生まで総勢160チーム600名がTECH LAB PAAKを卒業し、事業成長を遂げてきた。現在も第7期・第8期のメンバーが入居し事業育成に励んでいる。

* 参考記事:**TECH LAB PAAK、第6期生の成果発表会「OPEN PAAK DAY#6」を開催**

こうした中、リクルートのオープンイノベーションとして新たな取り組み「MEET SPAAC」が発表された。

* 参考記事:**リクルート初!スタートアップ x TECH LAB PAAK x Recruit Venturesの新規事業開発プログラム「MEET SPAAC」が始動**

MEET SPAACは、スタートアップ企業や研究者・イノベーターの活動を無償で支援する組織TECH LAB PAAKが、自社内新規事業開発プログラムRecruit Venturesの仕組みを活用したものである。

MEET SPAACでは、リクルートグループの中から公募で集められたスタートアップと社会課題を解決したい社員と、スタートアップが混成チームを編成して活動する。その上で、Recruit Venturesがもつステージゲート方式による事業開発マネジメントの仕組みを用いて、メンタリングや資金などリクルートのリソースを最大限に活用する。

**もともとMEET SPAACをはじめようと考えたのは、PAAKの会員でハッカソンで生まれたアイデアをビジネス化するチームがあり、PAAKを営業のツールとして活用してもらったことがキッカケ。そのビジネスはリクルートのブランドを使うことで営業がうまくいって事業も大きく成長できた。私たちにとっては当たり前だと思っていたリクルートのリソースが、スタートアップにとっては事業成長を加速するために役に立つと感じた。リクルートでは、あらゆる領域をすべて網羅的に取り組んでおり、ブランド力も非常に強いと思う。MEET SPAACを通じてリクルートと組むことを、事業成長を加速するための材料として使ってもらいたい。**

**今回の取り組みは、PAAKがスタートアップ支援に対して意志を持ってとやってきたからことに加え、Recruit Venturesがあったからこそ、このタイミングではじめることができた。MEET SPAACにはリクルートの社内の人間には、チームにコミットするという考えのもとで取り組んでもらう。MEET SPAACの特徴は、リクルートの社員とスタートアップの混成チームに対して、プロジェクトが、一次審査を通過すれば 上限500万円の活動資金とリクルート社員の仕事のミッションとして自分の時間のうち20%のコミット、最終審査を通過すると上限5000万円の活動資金とリクルート社員の部署異動でフルコミットになる。なお、その際の人件費はスタートアップが負担する必要はない。また、MEET SPAACでは、リクルートの社員の中でも、スタートアップと社会課題を解決したい人を公募しており、マインドしても強くスキルとしても何かしらの強みをもつ人が参加する。リクルートから有志で社会課題を解決するために集まった社員がスタートアップと一緒にチームを組んで伴走する。これこそがMEET SPAACの最大の特徴だと思う。また、スタートアップにとって一番気になるのが出資や雇用が前提とされているかだと思うが、MEET SPAACでは出資や雇用を応募の前提としていない。最終審査を通過するまでは、権利も全て応募者個人に帰属すると明確に宣言しているし、スタートアップとの協業は多様なケースがあると思うので、最終審査後に、個別で協議していきたい。**(岩本氏)

まさに、MEET SPAACは、リクルートのオープンイノベーションである「社内の新規事業でも、社外の新規事業支援でも、既存のモノと既存のモノをかけ合わせることで、新しいイノベーションが生まれていく」ことを体現したものであり、オープンイノベーションの真骨頂ともいえよう。

これまでリクルートが培ってきたありとあらゆるアセットを活用し、新しいイノベーションを生み出して社会問題を解決することで世界に大きなインパクトを与えたい人には、ぜひ、MEET SPAACに応募してもらいたい。なお、MEET SPAACの応募締切は2月1日まで。個別での質問も可能とのことなので、ぜひコンタクトを取ってみて欲しい。

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