「シェアリングエコノミーサービスで生活を豊かにしたい」 荷物一時預かりシェアリングサービス『ecbo cloak』を提供開始…ecbo工藤代表が語る、創業秘話から今後の展望まで

ecboは、都心の人気カフェやレンタサイクルなどの遊休スペース を活用した“荷物一時預かり”シェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」の提供を開始した。今回、Pedia Newsでは、ecbo 代表取締役社長 工藤慎一氏にインタビューを実施し、「ecbo cloak」誕生秘話と今後の展望を伺った。

2011年から2015年にかけて、日本を訪れた訪日外国人の数は年間33%も成長した。これは世界でも最速の成長率でもある。政府は、こうした訪日観光の需要を取り込むことが日本経済を成長させる強力な原動力になると考え、「明日の日本を支える観光ビジョン」を掲げ、訪日外国人旅行者数を2015年の1,970万人から2020年までに4,000万人、訪日外国人旅行消費額を3兆5,000億円から8兆円に急増させる目標を策定した。急激な訪日外国人数増加に伴い、宿泊施設、移動手段などの各インフラの需要が肥大化し、既存業界による供給だけでは追いつかないことが予想される。

そこで、新たなビジネス機会として誕生したのが「シェアリングエコノミー」だ。総務省によれば、シェアリングエコノミーとは、「典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある」と定義される。不特定多数の人々がインターネットを介してヒト・モノ・コトを共有できることをいう。矢野経済研究所によれば、2015年のシェアリングエコノミー国内市場規模は285億円で、2020年には600億円にも達すると予想される。

この急成長中の市場に挑むスタートアップが「エクボ(ecbo)」だ。ecboは、本日(1月18日)、都心の人気カフェやレンタサイクルなどの遊休スペース を活用した“荷物一時預かり”シェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」の提供を開始した。

今回、Pedia Newsでは、ecbo 代表取締役社長 工藤慎一氏にインタビューを実施し、「ecbo cloak」誕生秘話と今後の展望を伺った。

ecboは、2015年6月に設立された会社。代表の工藤氏は、もともとUber Japanで初期にインターンをしていた人物。工藤氏は、マカオで生まれ、幼少期から日本と中国を行き来し、その経験をもとに貿易業を営む。大学3年生の時には中国に留学し、マーケティング、マネジメントを学ぶ。留学後、日本に帰国し、当時日本に参入したばかりのUber Japanにジョインした。

**Uberとの出会いは2012年でした。中国語教室を運営していた時に、生徒さんから「Uber という配車サービスがある」というのを聞いたのが最初でした。その後、2013年から1年弱、広州と香港で中国語の勉強と中国市場を理解するために留学しました。留学しながら、父の会社を手伝ったり、いろいろなビジネスに挑戦してみたのですが、自分には仕事の経験が足らないことを実感しました。「自分が提供するサービスを、世界中の全人類が使って、みんなの生活を豊かにしたい」僕はそれができれば満足できると強く思いました。**

**2014年に日本に帰国してからは、就活もしてみたりしたのですが、当時の自分は狭い世界の中から就職先を探していて心踊る企業がありませんでした。その時に、Uber Japanの知人の話を改めて聞き、”頭をハンマーで殴られたみたいな衝撃”がありました。当時のUberは、まだ全世界70都市で展開している時で、これからUber Japanをたった3名で立ち上げていく時代でした。「雑用でも何でもいいからUberでインターンさせてほしい」そう何度も懇願してUberにジョインできたんです。僕がUberにいたのは2014年〜2015年でしたが、入社して数ヶ月後には70都市から200都市へ拡大し、退職する時には400都市を超えていました。毎日、Uberの成長を実感できて、世界でもトップの人材と働けて、本当に素晴らしい経験になりました。多くの経験をさせてもらったのですが、自分の努力不足もあり、Uberには大きな貢献をできずにいました。当時24歳だったのですが、もっと社会に貢献できる人材になるために、退職しようと思いました。退職後は、海外ベンチャーの日本法人や国内のITベンチャーなどをみましたが、自分でサービスを作った方が一社員で経験するよりもずっと成長できて、自分の夢にも近づけると思って起業しました。**

**2015年6月に起業し、7月にはオンライン収納サービスのアイデアを固めました。2016年4月〜5月にかけて、倉庫に荷物を預けられるオンライン収納サービス「ecbo storage

」を開発し、6月〜8月に、多くのユーザーにご協力いただいてベータテストを行いました。実際に「ecbo storage」を運用してみて、長期にわたり、倉庫で荷物を保管するビジネスは資金面でも人材面でも多くのコストが必要で難しいと思いました。ある日、渋谷で外国人の方にスーツケースが入るロッカーの場所を質問されて一緒に探したのですが、40分経ってもスーツケースが入るコインロッカーがみつからなくて、駅の荷物預かり所になんとか預けることができたんです。その経験から、荷物預かりの需要が高いのに対し、供給するスペースが足らないと感じて、長期保管ではなくて短期保管に興味を持つようになったんです。そこで、長期保管をよりシンプルにした「ecbo cloak」を開発することにしました。**

**また、2016年6月にANRIから資金調達を実施しています。アンリさん(ANRI 佐俣アンリ氏)は、友人に紹介してもらったのですが、初めてお会いして数分で投資すると決めてくれました。それまでにも、いろんな投資家の方々にお会いしたのですが、「おもしろい」と言ってくださる方がいなかったんです。僕は、目立った能力があるわけでもなくて、夢の実現のためにベンチャーをはじめているところもあるので、減点方式だといろいろ減点されるものがあると思いますし、不透明なマーケットに挑戦しているとも思っています。僕自身も100%成功を保証することはできないですが、それでもアンリさんは「おもしろそうだから一緒にやりたい」「何か大きくやってくれそうだから投資する」と言ってくれたんです。僕はそういう言葉を投資家に言って欲しかったんです。それがなかったら、今のサービスを考えることもできなかったし、今はANRIさんのためにも成功したいと思っています。**(ecbo 代表取締役社長 工藤慎一氏)

ecboでは、本日より、都心の人気カフェやレンタサイクルなどの遊休スペース を活用した “荷物一時預かり” シェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」の提供を開始した。

「ecbo cloak」とは、IoT を利用して「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」とを つなぐ、革新的なシェアリングサービス。契約店は、遊休スペースの活用、自店への顧客誘導やPR効果を期待できる。一方、訪日観光客は、全国各地の飲食店やショップに 荷物を預けることで、その地域のユニークな体験、情報が手に入る。これにより、これまでにない新しい旅行スタイルを提案する。

**「ecbo cloak」は、荷物を預けたい人と荷物を預かるスペースを持つ店舗を繋ぐシェアリングサービスです。ただの荷物預かりプラットフォームではなくて、全く新しい荷物預かり体験を提供したいと考えています。せっかく、日本に旅行に来たのに、何十分も何時間もかけて荷物の預け先を探したいなんて、誰も思わないですよね。それなら、ガイドブックに載っていないような、お店や施設に行って日本を楽しんでもらいたい。「ecbo cloak」では、荷物を預けるだけでなく、荷物の預け先に行って楽しい体験ができるようにしていきたいと思っています。**

**現在「ecbo cloak」では、渋谷を中心に、宇田川カフェグループやカフェマメヒコなど100店舗の空きスペースを荷物預かり所として提供していますスーツケースは1日600円、手荷物は300円を支払うだけで利用できます。店舗側には弊社のシステム利用料を引いた残りをお渡しています。店舗側にとっては、お金にならなかった空きスペースを換金することができますし、荷物を預けた人の数十%がカフェを利用するので新規顧客の獲得にも繋がります。**

**ターゲットしては訪日外国人を想定しています。実際にベータテストで、民泊から送客を行って実験してみたのですが、非常に相性が良いことがわかりました。今後も、民泊やビジネスホテルからの送客を考えています。**(ecbo 代表取締役社長 工藤慎一氏)

自分が提供するサービスを、世界中の全人類が使って、みんなの生活を豊かにしたいーーーその工藤氏の熱い想いに共感したメンバー総勢10名と、彼に可能性を感じて信じる投資家と共に、工藤氏は「ecbo cloak」を通じてどのような展開を見せるのだろうか。最後に、工藤氏は次のように語ってくれた。

**「ecbo cloak」では、2017年度中に全国10000店舗へ展開し、黒字化することを目指します。今後は、渋谷をはじめ山手線沿線や、鎌倉、熱海など関東の主要な観光地を開拓しながら、京都、大阪にも進出していきたいと思います。**

**僕は、父も母も祖父母も家族みんなが経営者で、物心がついた時から経営者になりたいと漠然と思っていました。いろんな人と会う中で経営者像を持っていましたが、いろいろ試行錯誤していく中で、徐々に削ぎ落とされて、自分らしさが出てきたように思います。**

**ecboには、僕よりもずっと優秀で、それぞれの分野でプロフェッショナルなメンバーが多くて、僕は「この世の中に何があったらより良くなるんだろう、ワクワクするんだろう」ということに頭を使っています。僕は社長という立場ですが、サッカーと同じで、ecboのみんなは同じチームで誰もがメンバーの1人だと思っています。それぞれが得意なところを補い合って、みんなで世界をより良くしていきます。**(ecbo 代表取締役社長 工藤慎一氏)

“荷物一時預かり”シェアリングサービス「ecbo cloak」