「なぜ人が惹かれ合うのか」AI転職マッチングプラットフォーム『mitsucari』が解き明かす…ミライセルフ 表社長が語る、心理学と人工知能の融合

AI転職マッチングプラットフォーム「mitsucari(ミツカリ)」を運営するミライセルフは、京都大学イノベーションキャピタル(京都ICAP)から7000万円の資金調達を実施した。Pedia Newsでは、株式会社ミライセルフ 代表取締役社長 表孝憲氏にインタビューを実施し、今回の資金調達の裏側を伺った。

人工知能(AI)やビッグデータ分析などのテクノロジーを人事と融合する「HRテック」。今、人事におけるデータ「人事データ」の活用に注目が集まる。人事データとは、従業員に関するデータのことであり、氏名・生年月日・住所といった個人情報から、スキル・評価・勤怠など数多くのデータを含む。これまで、面接官の主観や面接対象者との相性など感覚的なものに左右されがちだった採用面接などを仕組み化することで、互いに納得感のあるものにしようとする取り組みが進められている。

その中、AI転職マッチングプラットフォーム「mitsucari(ミツカリ)」を運営するミライセルフは、京都大学イノベーションキャピタル(京都ICAP)から7000万円の資金調達を実施した。

Pedia Newsでは、株式会社ミライセルフ 代表取締役社長 表孝憲氏にインタビューを実施し、今回の資金調達の裏側を伺った。

ミライセルフは、京都大学出身でモルガン・スタンレーの東京拠点でヴァイスプレジデントをつとめた表孝憲氏と、同じく京都大学出身で米グーグル本社にてトップ数パーセントのエンジニアに選ばれたことのある井上真大氏が設立した会社。

**「なぜ人が惹かれ合うのか」**ーーーふたつの原体験が表氏をスタートアップへ導いた。ひとつ目の原体験は、京都大学時代に、アメフト部のメンバーで選手としては組織にあまりフィットできず怪我で活躍できなかった友人がユーラシア大陸・アフリカ大陸を横断し、世界を自由に移動してたくさんの仲間をつくれたこと。これに表氏は感動し、**「人がどのような組織と出会えば、どのような動きをするか」**に興味をもつようになり、**「人の能力よりも偶然の出会いの方が大事」**だと考えるようになったという。ふたつ目の原体験は、モルガン・スタンレー時代に、面接した人物が退職してしまったことを境に自身の面接を数値化したこと。これまでの自身の面接は、**「主観的な面接であり、将来的に会社で活躍する人を相関できていなかった」**ことに気づいたという。

その後、表氏は、2013年8月より、カリフォルニア大学バークレー校に留学し、2015年のMBAプログラムの修了と共に、モルガン・スタンレー時代に当時インターン生であった井上氏と共同創業した。2015年7月には、日本ベンチャーキャピタル(NVCC)と複数のエンジェル投資家から、シードラウンドで5000万円の資金調達を実施した。

**留学していた時に、カリフォルニア大学バークレー校のキャメロン・アンダーソン教授の社内政治に関する授業で、心理学を用いてバイアスや人間の行動分析をした結果、当時はやや冒険的でもあったが、これは企業で問うべきものではないかと直感した。そこで、卒業直前のタイミングで、井上に手伝ってもらいながらmitsucariの原型でもある学生と社会人を心理テストを解いてもらいながらマッチングするアプリをつくった。社会人200名に利用してもらったら、おもしろい結果になってみんなで盛り上がった。ただ、いろんな仮説を考えてみたが、このサービスでマネタイズは難しいと感じた。実際、投資家をまわってみたら、みんな同じ反応だったが、そのうちのひとりの投資家が「君たちがおもしろそうだから投資したい」「ビジネス経験がある人間と天才エンジニアが創業するような会社に投資したかった」と言ってくれた。それがNVCCの担当の方。その方とハングアウトで日本と米国で徹底的に議論し、サービスをブラッシュアップしていく中で、新卒市場ではなく転職市場でアイデアを詰めていって起業した。起業当初、テストは35問だったが、今は全部で82問ある。**(表氏)

ミライセルフでは、AI転職マッチングプラットフォーム「mitsucari」を運営する。mitsucariは、転職希望者と求人企業の社員の両者にクイズやゲームを解いてもらい、プロファイルを作成することで、人工知能を使ってマッチングする。従来、当たり前であった転職希望者が転職先、求人企業が該当者を探すといったプロセスが必要ない。

**mitsucariの強みは大きくふたつある。ひとつ目は、システムに強みをもっており、テストそのものを作り込んでいること。ふたつ目は、UI/UXにこだわり、使いやすいこと。アルゴリズム自体は、京都大学の田島敬史教授にもアドバイスをいただいている。田島教授は、もともと井上が田島教授のゼミの出身者でもあり、創業時から相談にのってもらっていた。人工知能(AI)や機械学習は、難しいものを解くものからシンプルなものを解くまで様々だと思うが、mitsucariでは、テストの結果を数値データを利用しているので、どちらかというとシンプルな機械学習のモデルが合うと考えている。**(表氏)

そう表氏が語るように、表氏と井上氏が京大出身であり、田島教授との繋がりもあったことから、2016年12月に京都大学イノベーションキャピタルから7000万円の資金調達を実施した。今回のラウンドは、プレシリーズAないしはシリーズAラウンドの位置づけ。

これまでmitsucariを利用した登録企業は270社を上回り、登録ユーザー数は求人企業側と転職希望者を合わせて1万7000人に及ぶ。mitsucariがターゲットとする求人企業は、従業員規模50人〜300人ほどの中小企業であるが、一部1万人程度の大企業も数社含まれている。なお、現在、ミライセルフは、開発拠点を大阪、営業拠点を東京に設ける。

**開発チームは大阪、ビジネスチームは東京に分かれており、コミュニケーションリスクはあるが、大阪は働きやすくて環境としてもおもしろい。コミュニケーションのイシューさえクリアすれば、どこでも一緒に働けると思う。mitsucariが、企業と応募者のフィットを図れる全く新しい仕組みを提供しているので、ミライセルフでは、新しい働き方にもチャレンジしていきたい。**(表氏)

AI転職マッチングプラットフォーム「mitsucari」